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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
天使炎上篇
15.天使炎上
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低数しか用意してない」
「つまりは、クローンか」
翼を展開した“仮面憑き”たちが上空へと舞い上がる。
「あんたは、話が早くてほんと助かるわ。わたしは好きよ」
「ババアに好かれてもうれしくねぇよ」
ベアトリスが彩斗を睨む。
だが、彩斗から流れ出る魔力に後ずさる。
「そういえば、あんたの正体だけ聞いてなかったわね」
「あぁ? 俺か、
神意の暁
(
オレ
)
は夏音の友達だ」
ちっ、とベアトリスは眷獣を再び喚び出して彩斗を睨みつける。
彩斗は突如として古城の肩に手を置いて後方へと下がる。
いつもの気怠そうな顔をしながら彩斗は上空へ浮かぶ、“仮面憑き”を見上げている。
「王族とか霊媒とか知ったことか。叶瀬もラ・フォリアも普通の女の子だろうが。それを天使にするだの、クローンで増やすだの、好き勝手なことばっか言いやがって──!」
古城の瞳が赤く染まる。それは怒りの色だった。
「いい加減に頭にきたぜ。叶瀬を助けて、おまえらのくだらねえ計画をぶっ潰してやるよ! ここからさきは、
第四真祖
(
オレ
)
の
戦争
(
ケンカ
)
だ!」
禍々しい覇気を放って、古城が吠えた。
真祖の魔力に反応した“仮面憑き”が、光剣を古城へと撃ち放つ。
その剣を撃ち落としたのは、銀色の槍の一閃。
「──いいえ、先輩。わたしたちの、です」
叶瀬夏音が覚醒した影響か、海風に粉雪が混じっている。
「Kyriiiiiiiiiiiii──!」
天使が咆哮する。
すでに二体の“仮面憑き”は雪菜が止め、女吸血鬼と獣人の男も雪菜とラ・フォリアが止めた。
「苦しいか、夏音」
彩斗が、静かに呼びかける。その声が届いていることを信じて彩斗は呼びかけ続ける。
「大丈夫だ。おまえは俺たちが絶対に助けてやるからな。ちょっと待ってるよ。今すぐそっから降ろしてやるからな」
天使の翼に浮かぶ眼球から、光の剣が放たれる。
だが、その攻撃は夏音の意思ではない。防衛反応だ。
降り注いだ光の剣は彩斗の身体から衝撃波が生まれ、全て消し去る。
「古城、あの翼は任せたぞ。俺が隙をつくる」
古城は無言で頷いた。
上空に浮かぶ、夏音へと目掛けて右腕を突き出した。その腕から鮮血が噴き出した。
「“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”の血脈を継ぎし者、緒河彩斗が、ここに汝の枷を解く──!」
鮮血が膨大な魔力の波動へとなり、凝縮された波動が、実体へと変化する。それは鮮血の鬣の眷獣。
「──降臨しろ、九番目の眷獣、“
戦火の獅子
(
アレス・レグルス
)
”!」
出現したのは獅子。鮮血の鬣、鋭く尖った爪と牙。
それは、先ほど彩斗の意思に反して出現した獅子
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