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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
天使炎上篇
15.天使炎上
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そうに眺めて言った。
「わたくしたちには古城を癒せません」
「……そんな……」
雪菜の頬から血の気が引く。
ラ・フォリアは続けるように悪戯っぽく微笑んだ。
「わたくしたちには無理ですが、彩斗なら可能です。もしくは、古城を救える存在を喚び起こすのどちらかです」
「先輩方の……?」
雪菜は、倒れる二人の吸血鬼へと視線を落とす。
同時にラ・フォリアも自分の近くで倒れる彩斗へと視線を落とす。
彩斗の肉体には、腹部に深々と抉られた爪の後が残っている。普段の彼ならもう回復していてもおかしくない。
だが、今の彩斗の肉体からは魔力をあまり感じられない。
一体の眷獣が暴走し、それを止めるために自らの眷獣を無効化したのだ。眷獣の強制消滅は、所有者に与える負荷など計り知れないほどだ。
それほどまでに“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”の眷獣は強力すぎるのだ。
「ですから、雪菜。古城の眷獣を喚び起こしてください。わたしは彩斗を目覚めさせますので」
ラ・フォリアは、そっと彩斗のボロボロの制服のボタンを上から順に外していく。
彩斗の上半身が露わとなる。
「……これが殿方のお身体なのですね」
興味津々に腹筋と脇腹を指でなぞる。
「あの……ラ・フォリア?」
彩斗のズボンを脱がそうとしたラ・フォリアを雪菜が諌める。
「失礼。つい後学のためにと思って好奇心に負けてしまいました」
「はあ……って、どうしてあなたまで服を脱ぐんですか!?」
ラ・フォリアが服を脱ぐのを雪菜が慌てて静止させる。
「彩斗に魔力を捧げる方法として血を捧げるのが確実な方法だと聞きました」
「そ、それは、たしかにそのとおりですけど」
雪菜は弱々しく肯定する。
「ですけど……今の暁先輩と緒河先輩にはそもそも意識が……」
「問題ありません。吸血衝動を引き起こすきっかけは性的興奮なのでしょう? 肉体的な刺激があれば、たとえ意識が十分でなくても行為が可能なはずです」
無邪気に微笑むラ・フォリアに雪菜は溜息をついた。
「心配ありません、雪菜。わたくしも今はまだ本気で彼と交合する気はありませんから」
「あたりまえです!」
雪菜はあからさまに頬を赤らめ叫んだ。
「では、雪菜。古城のことは任せましたよ」
「ですが……」
雪菜はラ・フォリアが彩斗に血を吸われることがあまりよく思っていないのだと思われる。
だが、ラ・フォリアは碧眼の綺麗な目で雪菜を見つめ、悪戯をするように微笑む。
その表情に雪菜は、自分のやるべきことをやろうと古城の身体を抱き寄せるのを見て、ラ・フォリアは彩斗に再び視線を向ける。
ラ・フォリアは儀礼服を脱ぎ捨て、
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