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女侠客
第六章
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 二十代後半位の女の声だ、いつもの子供の声ではない。おみよはその声を聞いてまずは首を傾げさせた。
「女の声!?」
 しかもだ、その声はというと。
「大丈夫ですか?」
 誰かを気遣う声だった、そしてこの寺子屋の中にいるのは。
 言うまでもなかった、それでおみよは寺子屋の中をそっと覗くとそこには奥田ともう一人武家の着物を着た綺麗な女だった。
 その女がだ、奥田の左手、軽い刀傷のあるその手を水で洗いながら彼を気遣ってこう言っていたのだった。
「そのお怪我は」
「安心してくれ」
 奥田はその女に優しい顔で優しい声をかけて応えていた。今寺子屋の中にいるのは二人だけである。子供達はいない。
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