第一章
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楽しいことが第一
ドイツ軍の将兵達はアフリカ戦線で苦戦する盟友イタリア軍を助ける為にアフリカにまで来た、だがそこに来てだった。
彼等は北アフリカの暑さにやられる前にだ、イタリア軍にやられてしまった。
彼等はイタリア軍を見て口々にだった、こう言うのだった。
「逃げ足だけは速いな」
「戦争する気がないだろ」
「一体何なんだ」
「敵が来れば泣いて逃げるか降伏するか」
「兵器は酷いものばかりだ」
「それは負ける筈だ」
「戦争を何だと思ってるんだ」
こう言うのだった。
「あんなのが我々の盟友か」
「これは助けるのが大変だぞ」
「足手まといにしかなrないな」
もうこのことはわかっていた、それでだった。
彼等はこれからの戦いに大きな不安を抱いた。そして。
イタリア軍をあてにすることは最初から諦めた、それでだった。
自分達だけで北アフリカのイギリス軍及びイギリスの植民地軍と戦うことにした、しかしここで。
イギリス軍以外の敵にやられた、それこそがだった。
アフリカ、砂漠の暑さだ。その暑さは尋常なものではなかった。
彼等はその暑さにうだりだした、しかし戦争中だ。
軍服を脱ぐ訳にはいかない、ドイツ軍のジャーマングレーの生地の厚い軍服と軍帽、それにブーツでは無理があった。
彼等は体力を消耗していった、だが見れば。
イタリア軍は半袖に膝までの半ズボンで服の生地も薄い。帽子にしても随分とラフな感じのものである。
その彼等を見てだ、ドイツ軍の将兵達は言うのだった。
「あっちの方がいいか?」
「随分楽そうだな」
「そうだな、今の我々は暑さに参っているが」
「イタリア軍の方がいいか」
「ああした服の方が」
こう話すのだった、そしてだった。
ベルリンの上層部とも話をした、その結果。
彼等は服装をイタリア軍の様にラフなものにした。半袖半ズボンで帽子もラフな感じに。服の色も一新された。
その服ならだった、前よりも。
遥かに楽だった、暑さには格段に楽だった。それで。
戦闘もしやすくなった、ドイツ軍もこのことにはこう言うのだった。
「いいな」
「ああ、戦いやすいよ」
「まさかと思ったけれどな」
「砂漠はこういう服の方がいいんだな」
「暑さにやられないんだな」
「暑いと嫌じゃない」
あるイタリア軍の兵士が笑ってこう語った。
「だから俺達はこうした服なんだ、こっちでは」
「そういえばイタリアは北イタリアに植民地があるしな」
「トリポリとかキレナイカとかな」
「だからアフリカのことを知っていてか」
「こうした服にしていたのか」
「楽にしないとね」
駄目だというのだ。
「辛いのは嫌じゃない」
「いや、そこは嫌じゃないだろ」
「真面目にや
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