第二章
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「これもだよ」
「ごくりときますね」
「それなら受けてくれるね」
「飯がたらふく食えますね」
フェリペは先程までの受けたくないといった顔を一変させた、にかりと笑ってそのうえで役人に大して答える。
「それなら」
「よし、それじゃあね」
「何か化けものが出て来るかも知れないですけれど」
「その備えはあるかい?」
「エンリコがいますから」
その教会の神父の甥である彼の助手がだというのだ。
「高校を出たばかりですけれどやってくれる子ですよ」
「高校を出たばかりで腕利きのエクソシストか。日本の漫画みたいだな」
「いえ、叔父さんがです」
その教会の神父がだというのだ。
「実はエクソシストでして」
「じゃあその人に協力を仰いでだね」
「そうします、神父さんは報酬も少なく済みますし」
「いや、神の僕には寄付をしないと」
「寄付なら日曜にいつもしてますよ」
ミサの時にだ、寄進はしているというのだ。
「だからいいですよ」
「そんなことを言っていると天罰を受けるよ」
「天罰ならもう受けてますよ、この前かみさんに家の金をすくねて飲んだのがばれてバックドロップを受けましたよ」
「それは君が悪いね」
こうしたやり取りをしてだった、そのうえで。
フェリペはこの仕事を受けることにした、彼はすぐに依頼の店の大掃除を終えて事務所に戻って来たエンリコ、彼より背が高く筋肉質の童顔の青年にこう言った。
「裏の仕事だよ、妖怪だのが見られるかも知れないぜ」
「妖怪ですか」
「ああ、何でも影がなくなって死んだ人がいるらしいんだよ」
「如何にもですね」
「そうだよ、じゃあな」
「じゃあって?」
「御前の叔父さんに声をかけてくれ」
エンリコにこう言うのだった。
「いいな、妖怪だの幽霊だのだったらまずいからな」
「いないと思わない方がいいですね」
エンリコは立ったままフェリペに言った、何でも屋をしていると胡散臭い場所、心霊スポット等にも行くことがあり感じるものがあるからだ。
「そういうのは」
「そうだろ、だから念の為にな」
「叔父さんにも来てもらって」
「三人で調べるぜ、いいな」
「わかりました、じゃあ叔父さんに連絡をします」
「神父さんにも報酬を出してな」
ここでこうも言ったフェリペだった。
「あの人にもな」
「叔父さんお金にはあまり」
執着しないというのだ、まともな聖職者らしく。
「それでもですか」
「少しでもな」
役人に言ったこととは表は同じだが実は違うことを言うのだった。
「そうしないとな」
「駄目ですか」
「こういうのは出さないとな」
謝礼、それはというのだ。
「次から仕事を頼んでも来てくれなくなるしな」
「それでなんですね」
「仕事は報酬だよ」
それが第一
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