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海の恐怖
第五章
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「大きさだけじゃなくて」
「モササウルスよりもか」
「そうです、他の恐竜なんか一噛みだったんですよ」
「何でそんな奴がいるんだ!?」
「そんなこと僕に言われても」
 わからないというのだ。
「そこまでは」
「それもそうか」
「そうだ、とにかくな」
「銃ですね」
「ああ、銛じゃ駄目だ」
 攻撃力が足りないというのだ。
「一本や二本じゃな」
「それに下手に近寄ったら」
 銛で刺す為にだ、そうしてもだというのだ。
「逆にやられかねませんね」
「ああ、だからな」
「銃ですね」
「これか」
 話をしているうちに見付かった、その銃はというと。
 ショットガンだった、カンターロはそのショットガンを持って後ろに戻った。すると恐竜はもうすぐ傍にまで来ていた。
 それでだ、客達も蒼白になって言うのだった。
「あの、もう」
「相当やばいですよ」
「今まさに襲い掛かってきそうですよ」
「ですから今すぐに」
「ここは」
「わかってます、これで」
 その手にしているショットガンでだというのだ。
「撃ちますから」
「それで何とかなります?」
「ショットガンでやっつけられます?」
「若しかしたら」 
 巨大な相手だ、通じないかも知れない。
 だが、だ。今はそれしかないからだ。
 さらに迫る恐竜に狙いを定めた、そして。
 そのうえで撃った、散らばった銃弾が恐竜を襲う。本来は巨大な鮫が来た時への万が一の備えに船に入れていた。
 しかしそれを恐竜に放った、すると。
 恐竜は一瞬怯んだ、直撃はしなかったが。
 それを見てだ、彼はすぐにもう一撃放った。今度も直撃ではなかったが。
 恐竜はさらに怯み動きがかなり遅くなった、カンターロはその機会を逃さなかった。 
 次にだ、手元にあったバケツを取って恐竜にぶつけた、それは恐竜の頭にクリーンヒットした。それで恐竜は怒りの声をあげたが。
 隙がさらに出来た、そしてカンターロはそれを見逃さなかった。
 操縦席にすぐに戻ってだ、青年に言った。
「おい、代われ」
「カンターロさんが操縦してですね」
「ああ、今のうちにな」
 後ろを振り向く、恐竜はまだ怯んで動きを止めている。その間にだった。
「逃げるからな」
「わかりました、それじゃあ」
「こういう時はな」 
 どうするかとだ、こう言ってだった。
 カンターろは客達にだ、こう言った。
「船の中に入るか、何かに掴まって下さい!」
「は、はい!」
「わかりました!」
「荒くいきますから!」
 客達に言ってすぐにだった、船を全速力のままジグザグに動かしはじめた、そのうえで一気に逃げるのだった。
 客達は船の中に転がる様にして入ったり手すりに掴まって何とか船から落ない様にした、アイスクーラー等は事前に船に縛り
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