第二章
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「釣りに出るぜ、カジキなり何なりをな」
「そうか、天気予報はもう聞いたよな」
「明日はハリケーンもないし波も静かだってさ」
「絶好の釣り日和か」
「だから気持ちよく稼いでくるな」
「頑張って来いよ」
陸で観光客相手の土産屋をやっているコインブラは海に出るカンターロを気持ちよく送り出した。その次の日。
カンターロは波止場で船の用意をした、そのうえで観光客達を乗せて海に出た。何処かでも澄んだ空と永遠に続くまでの海、その中にある雲と波を見てコロラドから来た観光客達は目を丸くさせてこう言ったのだった。
「いや、これがフロリダか」
「マイアミの海なのね」
「綺麗だよな」
「私こんなお空と海見たのはじめてよ」
「僕だってだよ」
「本当にね」
観光客達はこう話すのだった、彼等にとってはあまりにも綺麗な場所だったからだ。
その彼等にだ、カンターロは笑顔で話した。
「いいものでしょ」
「ああ、とても」
「まるで天国だわ」
「マイアミはいつもこんな空と海なんだな」
「何か羨ましいわ」
「いやいや、これがなんですよ」
どうかとだ。
「ハリケーンが多くて」
「ああ、あれか」
「あれが多いのね」
「あいつは怖いですよ」
ハリケーンについてはだとだ、笑って言う彼だった。
「それこそ浮気がばれた後の彼女みたいにね」
「あはは、それは怖いね」
「確かにね」
観光客達はカンターロのジョークを交えた説明に笑って応えた。
「浮気がばれた後の相手は」
「それこそハリケーンよね」
「そうです、それだけ怖いんですよ」
まさにだというのだ。
「ですから」
「ハリケーンは注意」
「そういうことなのね」
「これ位の船だと」
彼等が今乗っている釣り船位の大きさならというのだ、全長十メートルは優にある。
「鮫も怖くないです」
「ジョーズが出て来ても?」
「はい、ホオジロザメも実際十メートルなんて滅多にいませんし」
それにだというのだ。
「この船は十メートル普通に超えてますから」
「だからか」
「怖くないのね」
「そうです、ですからここで」
笑ったまま観光客達に話すカンターロだった、船の後ろで彼等と共に空と海特に海を眺めながらのやり取りだった。
「怖いのはハリケーンだけですよ」
「大蛸とかシーサーペントは出ないのかな」
観光客の一人がこう尋ねた。
「そういうのは」
「ああ、海の怪物ですね」
「そういうのは出ないのかい?」
「噂はありますけれどね」
昨日のコインブラとの話を思い出しながらだ、カンターロは答えた。
「それでも見たことはないですよ」
「そうなんだな」
「そうしたいるかどうかわからないのよりも」
「ハリケーンの方が怖いんだね」
「そうです、本当に」
現
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