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懐かしき友
第六章
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「空軍の象徴だからな」
「まさにな」
「空だからな」
 パイロットが代表となることは当然だというのだ。
「そうなるのは当然だな」
「募集のポスターでも絶対に出るからな」
「そうなるな」
「まあ俺はな」
 彼、ジョン=ラビルヘンはこうビッグに話した。軽い調子で。
「パイロットになろうとは思ってなかったからな」
「奇遇だな、俺もだ」
「補給志願だったんだがな」
「それでどうしてレーダーになった」
「どういう訳か補給の適正がなくてな」
 適正検査でそれがないと出たというのだ、それでだというのである。
「レーダーになったんだよ」
「それでか」
「ああ、だから別にパイロットにはどうとか思わないけれどな」
「やはりパイロットはな」
「空軍の象徴でな」
 その中でもだ、特にだというのだ。
「トップガンはな」
「スターだな」
「だからこそ凄いからな」
「あいつは凄い奴だ」
 実際にだとだ、ビッグはラビルヘンに対してカーペンターのことをまた話した。
「絶対になる」
「凄い奴が同期になったんだな」
「しかもいい奴だ」
 ただ能力が優れているだけではないというのだ、カーペンターの人間性ののことを知っているが故の言葉である。
「飾らなくて気さくで公平でな」
「そうか、有能でしかもいい奴か」
「だからまた会いたいな」
 こうラビルヘンに話すのだった。
「機会があったらな」
「世界中で展開しているからな、俺達は」
 ラビルヘンはこの現実をここでも話に出した。
「会えればいいがな」
「何処かでな」
「神様にお願いするか、会わせて下さいってな」
「恋人に会いたい女の子みたいだな」
「あはは、それもそうだな」 
 ラビルヘンはビッグの突っ込みに笑って返した。
「恋ってやつか」
「馬鹿いえ、俺はノーマルだ」
 同性愛者ではないというのだ、このことはその通りだ。ビッグは同性愛は否定しないが同性愛者ではない。
「だからそれはない」
「そうか、じゃあ今度いい店紹介するな」
「どんな奴がいる店だ」
「これが結構な」
 そうした店の話に入ったところでだ、ここで。
 二人を上官の少佐がじろりと見てきた、無言で勤務中のお喋りは止めろと言ってきた。それを受けて二人も会話を止めた。
 ビッグはハワイからアメリカ本土に戻った、今度は西海岸だった。そして西海岸の次の場所はというと。
「中東ですか」
「そうだ、駐在武官だ」
 それで行って欲しいとだ、今いる西海岸の基地での上司に告げられた。
「サウジアラビアのな」
「あの国ですか」
「行ってくれるな」
「はい」
 軍人だからだ、命令にノーはなかった。
「そうさせてもらいます」
「ではな。ただな」
「中東だからですね」
「色々と気をつけてくれ」
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