第四章
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二人はこの日親しくバーボンを飲んだ、そのうえで。
士官学校を卒業した時にだ、ビッグは同期達カーペンターを含めた彼等に言った。顔は微笑んでいないが目にそれが出ていた。
「また会おうな、会った時はな」
「ああ、飲もうな」
「そうしような」
「おい、その時はそこで一番美味い酒を飲もうぜ」
カーペンターは明るい笑顔でビッグに言った。手を陽気に動かしてもいる。
「アメリカでも他の国でもな」
「そうだな、そこのいい酒をな」
「飲もうな、それじゃあな」
微笑みだ、カーペンターは。
右手を差し出した、するとその場にいた全員が。
腕を重ね合った、それで言い合った。
「また会おうな!」
「会った時は楽しくやろうな!」
ビッグもカーペンターも他の者も約束した、そうして彼等は士官学校を卒業してからそれぞれの場所に入った。ビッグはハワイに赴任した。
ハワイの空軍基地においてレーダー部隊に務めていた、しかしそこには同期はおらず彼はそうした意味では一人だった、だが。
親しくなれた同じ階級で同じ年齢の大学出身の士官がいたので彼と仲良くやれた、ビッグはその彼から色々聞いた。
「そうか、俺の同期もな」
「皆ばらばらだぜ」
ビッグは今は彼と共に仕事の合間の休憩時間を楽しんでいた。基地の隅で二人でコーヒーを飲みながら話していた。
その中でだ、彼はビッグの同期のことを話したのである。
「本当にな」
「そうだな、欧州に行った奴もいればな」
「中東に行った奴もいるか」
「ああ、そうだよ」
その通りだとだ、彼はビッグに話す。
「けれどそのことはな」
「ああ、俺もわかってるさ」
ビッグはそれは既に、という顔で彼に答えた。
「それが軍隊だからな」
「軍隊ってのはあちこちに配備されるからな」
「特に俺達はな」
「ああ、アメリカ軍はな」
世界中に展開しているだけにだ。
「アメリカにだけって訳にはいかないさ」
「アメリカっていても広いしな」
「ああ、だからだよ」
それでだというのだ。
「何処に誰が行くかわかったものじゃないぜ」
「そうだな、本当にな」
「あんたにしろそうだろ」
「ああ、生まれはセントポールでな」
ミネソタ州である。
「士官学校に入って」
「今はここだな」
「ハワイに来るとは思わなかったさ」
「そういうものだよ、俺だってな」
彼は飲み終えたコーヒーカップを片手にビッグに自分のことを話した。
「西海岸を希望したらな」
「ハワイか」
「そうだよ、ここだよ」
「ハワイも重要だからな」
観光地としてだけではない、アメリカの太平洋戦略の重要地点だ。北太平洋の中心にあるが故にハワイはアメリカにとって絶対の場所なのだ。
それでだ、ここには大きな基地もありビッグ達もいるのだ
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