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IS〈インフィニット・ストラトス〉駆け抜ける者
第24話
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中登場した。

「やあやあお久しぶり。どう、充実してる?」
「何の用だよ?俺のやり方にどうこうは言わせないぞ?」
「やり方に文句は無いよ?でもさ…、負け過ぎじゃない?」

それこそ言われても困る。そんな簡単に勝てたら、長年努力してきたIS使い達に申し訳がたたない。
加えて、敗因の大半は俺にある。ISが高性能でも、操者が力不足ならば、満足に力を発揮できはしない。

「だからこそ、だよ。君にはぜひともレベルアップしてもらわなきゃいけない!」

神様が指を鳴らすと、夕日差し込む俺の部屋が、突如学園のステージに変わった。

「言い忘れてたけど、僕は大変負けずぎらいなんだ、僕が携わったISが負けるのは、我慢できないんだよ」

再び指を鳴らすと、ISを展開した女性が。アレは、まさか…っ!

「君には全盛期の織斑千冬、つまり、最強と戦い、勝ってもらうよ?あ、ちなみに勝つまで起きられないから」
「馬鹿言うな!んなもん昏睡状態で大騒ぎになるだろうが!」

不可能に近い難題を押し付けるのも最悪だが、起きるという行為を封じられては、たまったものではない。

「大丈夫、ここの時間が那由多程に過ぎようと、『向こう』の時間は一瞬も経たないよ。安心して、強くなるんだ!」
「無茶苦茶言いやがって…、やりゃいいんだろ!?」

ヤケクソ状態でヴァンガードを起動し、構える。実力差がはっきりしすぎて、自分が場違いな錯覚すら感じる。

神様が出した織斑先生、正確にはその幻影だが、よもや剣を交える羽目になるとは思いもしなかった。

武装は太刀一本の先生だが、まるで隙がない。どう攻撃しても、確実に仕留められてしまうだろう。それ程までに、『織斑千冬』は圧倒的なのだ。

だが、仕掛ける!

爪先のエッジを剣に変形し、先生の武装を狙う。が、目にも止まらぬ速度で反応し、逆に一撃を喰らってしまう。分かってはいたが、対応できない。

「遅い」

太刀を突き付け、冷たい顔と声を俺にくれる織斑先生。

随分と、長い永い夜になりそうだ。

─────────

同時刻、某所では、先の智春の戦いで、こまかく言えば、ヴァンガードから得た発想でインスピレーションを得た篠ノ之束が、鼻歌混じりで『何か』を作っていた。

「いや〜本当に驚いた。まさかの二段階ブースト!しかも、私の予想が外れてなければ、二次移行とは『少し違う』な〜。他にも彼は隠してるみたいだけど。おかげでコッチも意欲全開!作ってみたくなっちゃった、私作ヴァンガードを!」

彼女は実に楽しげであった。そしてそれが完成するのは、僅か数日後の事である。
それが原因で智春が大変な事態になることになるのだが、未だ夢の中で地獄を見ている智春には全く予想も出来ないことであった。



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