魔法都市にて、思いは渦巻く
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ったマミーは口元の笑みはそのままに、その目から笑う仕草を消し去った。
口は弧を描き、目は獲物を狙う獣のような鋭い光を湛える。
「さぁーて・・・誰の苦しむ顔が1番美しくて無様かなぁ♪」
「発見ー、だよー」
「シオさん、どうしたデス?」
「妖精ー、見つけたー、情報ー、収集中ー」
「おやおや」
こちらもスキップしそうなシオ。
そんなシオをセスは見つめる。
「にしてもー、人数ー、少なめー・・・一体ー、どういうー、つもりー、かなー」
「解りませんが、私達がアイツ等を潰す事に変わりはないデス」
「だよねー」
シオの目に、闘志が宿る。
災厄の道化の殲滅担当が何よりも得意とする事が近づいて来ているのを、シオは確かに感じていた。
メラメラと心で何かが燃え、体が熱を持つ。
殲滅に対する思いが、シオの中でハッキリと燃える。
「殲滅のー、時がー、来たー・・・私のー、出番がー」
「・・・来たか」
カトレーン本宅の屋根の上。
そこに、黒い装束を纏ったザイールはいた。
双眼鏡から目線を外し、街を見つめる。
「正規ギルドが・・・」
軽い舌打ちと共に吐き出した言葉。
それと同時に頭の中を流れる記憶。
全てを忘れるように首を横に振って、ザイールは立ち上がった。
「俺はやるべき事をやる。それだけだ」
自分の今すべき事で、自分のやりたい事を覆い隠して。
「!」
フルールの街中を、フード付きマントを着て歩いていたパラゴーネはフードの中で小さく目を見開いた。
紅蓮の瞳に映るのは、町民に何やら話を聞いている憎き男の弟弟子。
「グレイ・フルバスター・・・!」
怒りがパラゴーネを全てを染め上げる。
その右手に力を込め、ゆっくりとグレイへ向けようとして―――――
「ストップ」
「!」
その手が、シェヴルによって止められた。
パラゴーネの右手を掴んだシェヴルはその手を引いて路地裏へと隠れる。
「何をするの、私は私の標的を駆逐しようとしただけ」
「街中で魔法を放とうとするな。関係のない“自称善良な一般町民共”まで巻き込む事になる」
「でも!」
「お前とあの男は後に戦う事になる。私の水晶にそう予言が出た」
「!」
シェヴルのその言葉に、パラゴーネの目が見開かれる。
それは先ほど、グレイを見つけた時とは違った感情で。
驚愕ではなく、嬉しさから。
「本当に?私は・・・グレイ・フルバスターを駆逐可能?」
「私の水晶の予言が外れた事は無いだろう」
「うん」
こくりと素直に頷き
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