魔法都市にて、思いは渦巻く
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ールの街の奥に立つ、カトレーン本宅。
本宅のある土地に入るまでには複雑な迷宮がある。
この迷宮は最近出来たものであり、シャロンが災厄の道化に頼んで作ってもらったのだ。
―――――――ティアが、逃げられないように。
「!」
そんな本宅の一室。
天蓋付きの1人で寝るにはかなり大きいベッドや豪華なドレッサー、どこぞの姫でも暮らしているのかと思う程に豪華なこの部屋で、ティアは小さく身を震わせた。
「まさか・・・」
純白の尼僧服に身を包んでいるティアは、部屋に完備されている監視用の魔水晶に手を翳す。
この魔水晶は街を監視しており、街の映像が流れるのだ。
「っ!」
そして、見つける。
魔水晶の中で揺れる黒髪と緑髪、パッと映像が切り替わったと思えばそこに映るのは緋色髪と金髪、次に現れたのは三つ編みの金髪。続いて桜色髪と青猫が映る。
その顔は当然のように見覚えがあり、その服装も見慣れたものであり―――桜色髪の右肩、金髪の右手の甲に刻まれた紋章は、己の背中に白く刻まれたものと同じ。
「コイツ等・・・!」
来るだろうとは思っていた。
他人を仲間と呼び、仲間の為なら世界中どこだって駆け巡る妖精の尻尾の事だから、確実に追ってくるだろうと。
だが、ここまで早いとは思っていなかった。
「ウソでしょ・・・」
あまりの早さに目を見開く。
自分がここに来たのは今日。手紙を置いたのも今日の事だ。
そして、アイツ等は今日、フルールに来た。
マグノリアとフルールは特別遠い訳ではない。1時間ほどあればつく距離にある。
だからこの街に早く着いた事には納得出来るが。
「足止めなんて、効果が無かったって事ね・・・」
はぁ、と溜息をつく。
2、3日くらいならどうにかなると思っていたが、まさか2日どころか1日も持たないとは。
「今回に限っては・・・バカは私だったわ・・・」
「んっ?おやおやおやぁ〜っ?」
望遠鏡を覗くのは、災厄の道化のマミー・マン。
明るい声で、口元に笑みを浮かべて、後ろに立つヒジリに目を向ける。
「来たっぽいよ」
「ア?」
「妖精がっ♪」
今にもスキップしそうなほどに嬉しさ全開のマミーは、望遠鏡に映る妖精の姿を満足そうに見つめる。
「うんうん、来てくれるって信じてたよ。てゆーか、来てくれないとこっちが退屈だしねぇ〜☆」
「ようやくお出ましか」
「YES!だからヒジリは早くルナと合流しなよっ」
「うるせー」
鬱陶しそうに言いながらも、ルナと合流すべく部屋を出ていくヒジリ。
1人部屋に残
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