魔法都市にて、思いは渦巻く
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真剣に呟くクロスにナツが答え、ルーシィとグレイがツッコみを入れる。
いつもの様に『考えなしに言って戦う』が通用しない相手なのだ、今回戦う相手は。
バラム同盟を担うギルドに魔導士のみが暮らす都市の名家の女当主、それを相手に情報ナシは難しい。
そもそも、ナツ達はカトレーンの一族に一体何人人がいるのか、どんな一族なのかさえ知らないのだ。
「とにかく、だ。ドラグニル達はフルールへと向かってくれ。クロッカス行きの列車に乗れば途中で駅があるから解る」
「クロスは?」
「俺はライアー達と血塗れの欲望傘下の闇ギルドを漁る。奴等なら何か情報を持っているかもしれん」
黒地に銀色と青のラインが入ったバロンコートをはためかせ、クロスは立ち上がる。
気づけばその手には仕事に行く際にいつも持っていく茶色のショルダーバッグが握られており、黒いブーツの踵を打ち鳴らしていた。
「行くぞお前達!今は少しの時間も無駄にしたくはない!」
「はい!」
「うん!」
「おうよ!」
「了解!」
青い髪を揺らしてギルドを出ていくクロスを、ライアー達が追いかける。
姉の事となればギルドで1番の行動力を発揮するのがクロスであり、それに続くように決断力もアップしていた。
「よし、ナツ達はフルールへと向かえ。ワシ等は他のルートで情報を漁る」
マカロフの言葉にエルザが頷く。
そして、ナツ達はフルールへと向かって行った。
――――――という訳で、現在に至る。
魔法都市、と言われ大規模な魔導士ギルドのようなものを想像していたナツ達だったが、実際には違った。
現実を感じさせない、別世界に来たような錯覚を覚えさせる街並み、街灯の周りを円を描いて回る魔水晶のカケラ。心地よい音を立てて流れる水。似たような建物が並び、丸屋根の頂点には綺麗に削られた魔水晶が縦に飾られている。
街の中を、どう見ても人間にしか見えない魔法人形が歩いている。顔や腕、足に奇妙な紋章が刻まれている事、人間でいう心臓辺りが淡く光っている事を覗いては人間そのものだ。
「何か・・・想像してたのと違うんだけど・・・」
「オイラも・・・」
ルーシィとハッピーが呟く。
因みに今フルールに来ているメンバーは最強チームメンバー+ルーとアルカ、ヴィーテルシアだ。
「よし、まずは血塗れの欲望とカトレーンについての情報収集だ」
「手分けすっか。1時間後に、そうだな・・・」
エルザの言葉にアルカが頷き、辺りを見回す。
そして近くの建物を指さした。
「そこの宿に集合、ってのでどうだ?」
「解った。悪いがアルカ、宿を取っておいてくれ
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