GOD END
[8]前話 前書き [1]後書き
人であるが故に歪む。
人を愛するが故に壊れる。
人であったが故に曲がっていく。
そう告げて去って行った爺の言葉は正しかった。俺は脆く、崩れ去っていった。
準最高神となり既にどれだけの月日が経過しただろうか
俺の仕事は愚か者を断罪し、神の法に違反した神を粛清、壊れた世界を修正する。
だがその度に見せ付けられたのは、人間の黒い部分だった。
俺としての人格はもはや、ほとんど消えているとさえ言ってもいい。
元人間にとっての俺に、人間のどろどろとした暗黒面は辛すぎた。
残っているは残りかすのような俺であったと思われる人格と、ただただ まるで機械のように、認識し、作業をこなしていく行動だけだった。
初恋の女、千夏を殺し、俺の心はほぼ死んだ。
思考は出来ていた、だがその思考に行動と心が付いて行かなかった。
表面上は妻と家族を愛していた。
だが俺の中に残っていたのはより多くの愚か者を断罪し、より多くの神を粛清し、より多くの世界を修正する、そんな作業をこなして行く
そんな物だけだった。
そして、今の俺は………………
「ああ………どうしてこうなってしまったんだろう」
最高神、愛する妻の手によってまもなく断罪され、存在、魂魄、命、心、人格、あらゆる物が消されるだろう。
俺の思考が危険なものと判断され、この決断を妻が下した。
だが不思議と安らぎを覚えた。
これで、終れると………………。
だと思っていた、俺の存在は世界の守護者という枠組みに組み込まれ、他の神々によってあらゆる点で改造され
ただ、命令されるだけの機械に成り下がった。
ああ、まだ俺は終われないんだ。
こんな事なら
「■□○▲○▲●」
ああ、もうしゃべれない、もうかんがえることもできなイ。もウ、オわりナンだナ。ホ……ウニ……シテ、■○▲○▲。
[8]前話 前書き [1]後書き
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ