#4『ファーストリべリオン』:2
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一気に晴れやかなものになる。そんなに送迎に参加するのが嬉しいのだろうか。それも当然だろう、とチャイネイは思う。コーリングの送迎や身の回りの世話を任されることは、第九師団にとって最高級の喜びだ。第九師団はコーリングの笑顔のために戦っている。
だが、当のコーリングはチャイネイの頭上でくつくつと可愛らしく笑う。
「イーリン姉ちゃんはチャイネイのことホントに大好きだね」
「なっ」
それを聞いたイーリンが、再び真っ赤になる。ちなみにその時、チャイネイは今日のコーリングの夕ご飯はチャーハンにするかギョウザにするかで迷っていて、この会話を聞いていない。
「な、ななな何言ってるんですかっ!コーリング様のお世話は第九師団の喜びだから嬉しいだけですっ!けっしてチャイネイ様と一緒だからでは……」
「ふふふ、ツンデレさんだなぁ〜」
「もうっ、コーリング様はいつもそんな言葉どこで覚えてくるんですか!……それよりチャイネイ様、今日の手合せお願いしますよ」
「いや待て、ギョウザの皮は現在一枚も残っていないんだったか?うーむ、しかしピーマンも無いとなると……ん?ああ、手合せだな。わかった」
チャイネイは頭の上のコーリングをやさしく下ろすと、近くの椅子に座らせる。だだっ広いミーティングルームの中央には、土俵とボクシング用リングを足して二で割ったような形状の闘技場が設けられている。第九師団のメンバーは、此処で時折模擬戦を行い、お互いを高め合うのだ。
イーリンの相手は大抵の場合チャイネイが務める。そうでもなければ、第九師団のメンバーでは相手にならないからだ。
「……行きますよ」
中央で儀礼をしてから、イーリンが構える。目を閉じた彼女の周辺を、黄金色のオーラが周回していく。チャイナドレスに隠れて見えないが、今現在彼女の胸元には、《蓮》の《刻印》が光り輝いているはずだ。同時に、彼女の体の中心線に添って、円形の印が出現しているはずである。
エィ家一子相伝の《刻印》、《蓮》は、本来ならば常人には第一段階の解放すら不可能である《チャクラ》を、第七段階まで使用することを可能とする能力を持つ。チャクラは九つ。自由にそのパワーを使えば、単体で天災にすら匹敵する力を持つという。どれだけの天才ですら第三段階の壁を超えるのは不可能と言われ、彼女は刻印の能力でさらにその先を行く第四段階を習得している。現在彼女の能力はそこまでしか達していないが、彼女の祖父であり、チャイネイの師匠だった男は、第七段階を完全に使いこなしていた。その一撃は岩を砕き猛獣を一撃で死に至らしめる大威力。
「―――――セァッ!!」
気合いと共に、音速の手刀が迫る。首にヒットすれば、やすやすと首骨が砕け散るだろう。だが、当然されるま
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