第十八話 葛藤
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西に森を抜けた岩場だ。ここからだと、大体15分位で着く。敵の規模は、前情報と同じく10人。武器は刀持ってるやつがほとんどで、1人だけ槍を持っている位だ。今、やつらは全員アジトにいる。確認済みだ。」
「オッケー、上々です。」
隊長がそう答えると、不思議とざしきワラベは、視線を落とした。
「・・頼む。あいつらを殺してくれ。あいつらは、俺の妻を殺しやがったんだ。」
彼は、辛そうにそう言った。
「あなたは、あの一団の一人だと聞いていますが?」
隊長は、静かに聞き返す。
「そうだ。昔はあの一団で悪をやってたが、女が出来たんで、足を洗うって辞めたんだ。そしたら、あいつら、俺の女を殺しやがった!許せねぇ!昔は気が合う奴等で楽しかったが、これだけは許せねぇ!」
彼からは、強い憎しみが感じられた。隊長は、冷ややかな目をしていた。そんな中、私は一つの言葉に気を取られていた。“昔は気が合う奴等で、楽しかった”、この言葉だ。彼は、昔の仲間を売った。仲間を裏切った。そう言う事よね・・・。
「そうですか。先を急ぎましょう。」
隊長は、彼の言葉に何も感じなかったかのように、答えて茶屋を出ていった。私達もそれに続いた。
ざしきワラベさんの案内で、盗賊団のアジトに無事、辿り着く事が出来た。そこは、森の中にある少し開けた所で、大きな岩がごろごろと転がっている岩場だった。その中にある一際大きい岩、それには、大きな穴が開いていて、その中がアジトらしい。私達は隊長の命令で、その入り口を半包囲している。入り口の真ん前に隊長と私、左側にイナリ、右側にカタナが配置していた。
作戦はシンプル。イナリの能力によって、中に全員がいることは確認済み。そこで、私の術で敵を誘き出し、外に出してから一網打尽にすると言う作戦だ。敵は忍ではなく、盗賊だから下手なことをしなければ大丈夫。
「花遁 甘誘花粉の術!」
印を素早く結んで、術を発動する。この術は、甘い花粉を出して、敵を誘い出す術。術者より強いチャクラを持つ人間には効かないけど、それ以外には、高確率で誘い出せる。黄色やピンク、赤色など様々な色をした花粉が、洞窟の中に入っていく。じはらくすると、中から厳つい顔をした連中が順場に出てきた。この術の難点は、敵を混乱させるようなものではない事。誘い出す事は出来るが、敵は正気なのだ。
「よし、今だ!」
10人が出てきた所で、隊長が合図を出した。隊長、イナリ、カタナ、皆がそれぞれ敵に向かって駆けていく。私もボーッとしとく訳にはいかない。私は、とりあえず、一番近くにいた敵にクナイを投げる。敵は正気だ。少しばかり驚いた表情を見せたが、手に持つ刀で、クナイを弾く。鋭い音が鳴り響く。私はその間に、敵の懐に駆け込んだ。
「なっー!」
敵は驚いて声を上げる。でも、も
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