第十八話 葛藤
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。」
そう言いながら、隊長は3つの巻物を取り出し、私達の前に並べて置いた。それから、ベンチから立ち上がり、伸びをする。
「さ、そろそろ時間だ。行こうか?」
と、伸びをし終わった隊長は、そう言った。私達は、それに頷き、立ち上がる。
これから私達は、Cランク任務に向かう。内容は、盗賊団の討伐。盗賊団と言っても10人くらいの集団で、戦争に出ることに比べれば何てことはないと思う。その盗賊団は、木ノ葉の近くにある街道で、行商人や旅人を襲い、金目の物を奪うらしい。少数ではあるけど、死人も出てしまっている。そこで、木ノ葉の忍に白羽の矢が立った訳ね。戦争をしているとは言え、一般の人達の生活に関わる任務もこなして行かなくてはいけない。そんなことを考えているうちに、木ノ葉の門まで辿り着いていた。
「さ、ここからそう遠くもないし、サクッといきますか。この前、話した通り、先に協力者と接触します。交渉は基本的に私がやるから、皆は警戒ね。」
その言葉に、私達は頷き、出発する。場所は、ここから走って移動して、1時間位の街道近くの森。その近くにある茶屋で協力者と会うことになっている。その協力者から盗賊団のアジトを聞いて、攻撃する。それが、任務の概要。
私達は、木の上を枝や幹を利用して素早く移動する。陣形は、特に決めてなく、隊長を先頭に、私達3人が並んで追いかけるという形になっていた。隣には、イナリがいる。・・・どんな顔をすればいいのか、分からない。ふと、昨日の夜・・と言うよりも今日の早朝だけど、両親とのやり取りが思い出される。
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「ハナ、あんたイナリ君と仲が良かったわね?絶対にお父さん達に言っちゃダメだからね?でないと・・・」
お母さんは、悲しい顔をしていた。今にも、泣きそうな。
「え、でも・・・」
私は、お母さんの言葉に口ごもる。お母さん、無理だよ・・。
その時、時悪くお父さんが帰ってきた。
「おーい、ハナはいるか?話したい事があるんだがー。」
そう、お父さんはいつもみたいに優しく、話していた。それを聞いて、お母さんは少しばかり安心したように、お父さんの方へ駆けていく。スリッパをパタパタと、音を立てて。
「あら、お父さん。お帰りなさい。会合は終わったの?」
何事も無かったかのように、お母さんは問い掛けた。
「ん?あぁ、ただいま。ハナはいないのか?」
お父さんは、お母さんの問い掛けには答えずに、私の居所を聞いている。さすがに、居留守は出来ない。だから、私は勇気を振り絞って、そして、いつもの自分を装って、お父さんの前に姿を現す。
「お父さん、ここにいるよ。お帰りなさい。」
努めて、普通に。
「あぁ、ハナ。ただいま。ところで、ハナはイナリ君と仲が良かったよな?確か・・・同
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