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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第八四幕 「映画館ではお静かに」
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を悪くしているナンパ男達にも爽やかな笑顔で対応する大人びた態度。見る人が見れば鍛えられていると分かる引き締まった体躯。最後に会った時よりまた少し大人びた顔立ち。ここ最近は会えると分かってから高揚を抑えられなかったほどに待ち望んだ、自分の先輩であり恋人。
「センパイ!もう来てたのか?」
「うん、箒はそそっかしい所があるから早めに来てるんじゃないかと思ってさ。当たったろ?」
「・・・お見通しか。敵わないな」
完全に行動を読まれていたのが恥ずかしくて、でも分かってくれているのが嬉しくて、顔がにやけてしまう。会って沢山伝えたいことがあった筈なのだが、顔を見て言葉を交わしただけで目的の半分を達したような幸せが胸を満たした。
「おい、てめぇ無視すんなよ――」
「髪を下ろしてるんだ?珍しいね・・・でもよく似合ってる」
「そ、そうか?良かった・・・あ、服はどうだ?今日のために買ったんだぞ?」
「うーん・・・いつもより大人し目な印象でいいと思うよ?その帽子も綺麗な黒髪に合うね」
「そうか!そうだろう!センパイに見てほしくて散々悩んだ甲斐があったというものだ!」
「おいコラ!この――」
「こらこら、はしゃぎ過ぎだぞ?女の子は御淑やかに・・・って、これ言うと男女差別だって周りにうるさく言われるんだよなぁ・・・」
「大丈夫だ先輩、私は気にしない!そ、その・・・センパイが望むなら、それも目指すし・・・」
「・・・無理して変わんなくたっていいぞ?はしゃぎ過ぎちゃうところだって子供っぽくて愛嬌あるし」
「こ、子供っぽくなんかないぞ!ちょっと単純なだけだ!」
「ぷっ・・・そういうこと自分で言うもんじゃないの!まったく・・・好きだけどさ、そう言う所も」
まさかのガン無視、そして自分たちの世界へ突入。目の前に今にも暴力を振るってきそうなほど苛立っている男をまるで路傍の石ころのように扱う二人に野次馬の間に遣る瀬無い空気が立ち込める。また、箒の笑顔にほっこりするその男とそのほっこり顔を見つめてほっこりする箒という話の進まない永久機関が完成し、本格的にナンパ男の存在が二人の脳内から抹消され始めていた。
その態度が男のプライドか何かを傷つけたらしく、さっきまでの形だけ丁寧な物腰を完全にかなぐり捨てた男はチンピラのように二人の間に割り込もうと足を踏み出した。
「無視してんじゃねえよこの糞野郎が!!」
「「邪魔だ鬱陶しい!!」」
ド ゴ ッ !
「あばっふっ!?」
「「ひ、ヒロシィぃーーー!!?」」
瞬間、激昂していたナンパ男は箒と彼女の恋人――真琴のダブルキックがクリティカルヒットした。惚れ惚れとするほどに見事に放たれたダブルキックを受けたナンパ男は地面とと平行に吹き飛び、奥にあったガードレールと接触し
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