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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
幕間5 「人類は宇宙人に含まれるのか?」
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思わず黙った。今現在敵の猛攻を辛うじて躱しているロボットを見つめるが、物理攻撃を弱める装備のおかげで持ちこたえている。HPが減ることで発動する底力もあって、戦いはまだこれからと言った所か。報告結果を可笑しそうにけらけら笑うクラースだったが、楯無は全くそんな気分にはならない。

「・・・洒落にならないわよ、それ。その手の研究は表も裏もISSの実験設備くらいでしか出来ないでしょ?」

ISSとは国際宇宙ステーションの事だ。この手の実験には人と設備と、長期間宇宙空間に滞在できるステーションが必要不可欠である。だが、楯無の知る限りISの登場で宇宙開発が遅れ始めて以降、そんなものが宇宙に上がったという話は聞いていない。

「ああ。8月の下旬に連合王国が新型ステーション打ち上げを予定しているが、逆を言えばあるのはそれだけだ。世界じゃ宇宙への関心は薄まっているがISがある以上最終的には宇宙進出に繋がる。今のうちにアドバンテージを取っておこうって腹だな」
「問題はそこじゃないでしょ!宇宙でしか生産できないなら、ドゥエンデ達は宇宙で生産されたってことじゃない!そしてあれを使っている組織は『すでに宇宙に上がってドゥエンデを作っている』って事!?冗談じゃないわ・・・!!」

現在の人類の技術力では、例えISによる発展があったところでそれを実現させるのは難しい。資源の運び込みはどうする?人員は?情報の伝達は?どうやって運ぶ?その問題を全て解決した場所が自分たちの手の届かない所に建造するなど。
そんな真似、更識含む全世界の諜報機関に気付かれずに実行できる訳が無い。IS委員会で衛星兵器を作る案が挙がったことはあるそうだが、実現不可能として直ぐに却下された。資金、技術、人材、どれをとっても大規模過ぎて必ず足がつくはずなのだ。しかし、現実としてそれは存在の可能性が指摘された。
その通り、とでも言うかのようにタブレットをテーブルに戻したクラースはさも可笑しそうに笑いながらソファに背を預けた。

「だから言ったろ?『宇宙人』だってな」
「ドゥエンデの中身がリトルグレイだったとでも言うの?敵は―――

―――“宇宙にいる”っていうの!?」

地上の監視に人工衛星は欠かせない。だが極秘で打ち上げられた人工衛星を監視する事など想定されていない。見張りを見張ることを失念しているからだ。そして、ISが実際の宇宙でもスーツとして運用可能であることは、先に挙げた連合王国が数年前に実証済みである。ステルス技術で姿を隠せば、発見されずに漂っていても誰も気付きはしない。
だとしたら―――宇宙を動き回る相手を、果たしてどうやって捕まえろと言うのか。宇宙に敵がいるから(そら)に上がって探します、とでも?

「まぁそれは、俺達も宇宙に行くしかないわな」
「滅茶苦茶よ・・・
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