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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第八十幕 「そんなバナナが食べたいな」
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ットするのはいいけどバナナばっかりは健康に悪いよ?」
最も彼女の身体の重さは多くが平均以上に着いた筋肉の所為なのでダイエットにはあまり意味が無いのだが、無論鈔果はそんなことは考えていない。
という、演技。
それでずっと自分を騙していたのかと思うと、松乃はこの少女が恐ろしかった。だが、真実は必ず暴かなければいけない。
(必ずお前の秘密を探り出すぞ、
浜鷸鈔果
(
はましぎしょうか
)
・・・)
ちなみに一方の鈔果はというと・・・
(松乃の奴、まさかISが大好きすぎて訓練の最中にあんなところまで突入するとはなぁ〜・・・趣味の事となると意外と暴走しやすいのか?)
・・・未だに事の重大さを理解できていないのであった。
―――これをきっかけに、馬鹿と工作員は様々な困難にぶつかることになるのだが、互いが互いの勘違いに気付く日が来るのかは不明である。
= = =
「くっ・・・!しまった!」
女の子とはいえこれだけの襲撃を仕掛けてきたとなれば見逃すわけにはいかない。そう考えたユウは彼女の身柄を拘束するために倒れた彼女に接近した。しかし、そこで待っていたのがまさかの協力者である。不意打ち的に消火器の泡を食らって一時的に視界が遮られたユウは、犯人と協力者の顔すら確認することが出来なかった。
「これ、唯の消火器じゃなくて最新型のバブルタイプか・・・!流石最上、いいものを使っているというべきか・・・」
バブルタイプとは最近になって普及し始めた、粉ではなく泡を噴出する消火器である。唯の粉ならばハイパーセンサーである程度相手の顔くらい確認できたのだが、直接泡が直撃した所為か捉えたのは2人で逃走する犯人の輪郭だけだった。
さらにバッドニュースは重なる。
バヂバヂッ!と両腕の電気系列がショートし、強制的に展開が解除された。
「え・・・!?しまった!出力を上げたせいで負荷がかかりすぎたのか・・・!!」
風花そのものの故障。「神度拳」は「十握拳」と同じくらいの威力を誇る技だ。本来ならば発射の反動を肩のパーツで和らげるシステムだったが、あの敵の攻撃でそのパーツの片方が破損していた。それゆえのショートだろう。
仕方なくISを量子化したユウの下に管制塔にいた面々とつららが駆け寄ってくる。それを眺め、無事であることを伝えるように手を振りながら、ユウは深い深いため息をついた。
「今から僕が追いかけたって・・・間に合わないよなぁ。警備の人や、来ているはずの政府がまわした人員に任せるしかないかぁ・・・」
ふと手の平に握られた風花を見る。ベルトの形をした待機形態の風花を眺めたユウは、誰にも聞こえないような小さい声でぼそっと囁いた。
「ごめんね、百華。無茶させちゃって」
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