暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第八十幕 「そんなバナナが食べたいな」
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はずがない。つまり、彼女は―――

(私を監視するために最初から送り込まれていた、機業のエージェント・・・もしくは“我々”も認知していない機業の協力者!?)

戦慄。地球圏で未だに機業以外で“我々”の存在に気付いている組織は殆ど存在しない。その機業でさえ、共同作戦を取ることはあっても“我々”の全容はつかめていない。にも拘らず、彼女は―――若しくは、彼女の上にいる存在はピンポイントで松乃を監視する人員を送り出した。
そして、あらゆる分野に精通し完璧な偽装工作で日本に入り込んでいた自分を、逆に一般人のふりをして騙しきってみせた桁外れの演技力。恐らくリスクを冒してまで私を助けたのも、“我々”にその存在をアピールして牽制しつつ、“アニマスナンバー”たる私を回収して内情を探ろうという腹積もりだろう。

「・・・・・・」

万一の場合に自爆して証拠を隠滅することは可能だ。しかし、彼女のバックに誰が付いているのかを探る必要がある。“我々”すら把握していない思惑が動いているとなれば、それを探り実情を把握しなければ計画に支障をきたす。“アニマスナンバー”一機でそれが分かるのならば損害としては安いものだ。

「あぁー・・・昼飯の時間帯になっちまった。こりゃセンコーはカンカンだな。今日の昼飯はコンビニで安売りしてるバナナで済ませるかぁ」
「ねぇ、鈔ちゃん」
「んあ?どした松乃?」

貴方は何者なの?という本当に聞きたいはずの疑問を胸の奥底に仕舞い込み、アニマス16は一人の学生・鈔果としての笑顔を顔に張り付けた。

「今日は、学校サボっちゃおっか」

さあ、乗って来い。“我々”の情報が欲しいのならばこの誘いは魅力的なはずだ。お前も仮面を張り付けて、このまま情報交換と行こうではないか。但し、こちらからは何も渡さないが。私が弱っていると勘違いしているのであればそれで構わない。それでもISすら持っていない人間では私に勝つことなど出来ない。
捕まえて、全てを吐かせて、我々の礎となれ―――

「・・・ダメ!アタシは良くてもお前がサボったとなるとセンコーがますます煩くなっちまうぜ!唯でさえ優等生で通ってるんだからよ・・・アタシが無理やり連れ回したことにしといてやるから、そうすればセンコーもとやかく言わねぇって!」
「ッ・・・うん、わかった」

・・・今はそれより表の顔を維持することを優先するか。
それもいいだろう。まだこの潜伏任務には得られるものがある。此処一帯は“我々”の技術で一時的なEMP攻撃を受けたに近い状況にある為顔がばれる心配も少ない。それが学生ともなれば、仮に顔を見られたとしても偶然だと考えるだろう。日本人の危機感などその程度だ。

「あ、そうだ松乃。お前バナナ好きか?買ったら半分こしようぜ!」
「もう、鈔ちゃんったらダイエ
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