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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第八十幕 「そんなバナナが食べたいな」
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浜鷸鈔果(はましぎしょうか)、年齢16歳。性別女性、血液型はA型。身長168センチ、体重約56kg。身体能力は平均的な女性よりも高いが知能は平均的な女性よりも低い。家族構成は両親と弟が一人で、同じ学校に通っており、一般人へのカムフラージュのために彼女へと近づき、周囲に友達と認識されるレベルの関係を築いた。

それが井上松乃(いのうえまつの)と名乗る少女―――本当の名を、アニマス16という―――の知る限りの彼女のパーソナルデータだった。それ以上も知っているが列挙する必要性をこれ以上感じない。
だが分からない。鈔果に手を引かれて走りながら彼女は悩む。
任務遂行の妨げになる可能性を考慮して確かに完全に撒いた筈の彼女が何故ここに来たのか?
一体何の目的を以て私を尾行し、誰の思惑で動いたのか?
何故私を救助したとも取れる行動を、リスクを冒してまで行っているのか?

彼女の逃走ルートは、一直線に出口へ向かっていた。今はあらゆる監視とセキュリティが死んでいるため速度が命。長居しても良い事は何もない。IS研究室の一角を通り過ぎたが、鈔果は見向きもせずに先を急いだ。行きの際に通った通路が次々に視界を通り過ぎてゆく。

しかし、セキュリティが一時的に死んでいるとはいえここは日本国内でも有数のIS関連施設だ。彼女は見たところ丸腰だが、ここは何の装備も持たずに進入できるほど甘っちょろい場所ではない。まさか個人でここに侵入するようなことを民間人がするはずもないし、もし万が一入り込んだとしても偶然最もセキュリティの厳しいエリアまで侵入できるはずがない。必然、彼女は一般人ではなく”こちら”に属することになる

判断材料不足。データ不足。浜鷸鈔果が何らかの組織に属しているという情報は未確認。また、特殊な訓練を受けていたという情報も未確認。出生のデータが偽造されていた?検証に必要なデータが不足している。
彼女の所属と目的をはっきりさせなければ。疑似人格を使用し、会話による情報収集を試みる。微かに呼吸を荒げている風に見えるよう心拍音数を調整し、足は止めずに導かれるまま件の相手へ声をかける。

(しょう)ちゃん、ねえ鈔ちゃん!」
「何だよ松乃?とっととズラかんないとバレたら怒られるだけじゃすまねぇぞ!!」
「それはそうだけど・・・どうやってここまで来たの?」
「そりゃアイツに道を教えてもらったに決まってんだろ」

アイツ・・・その一言だけでは普通誰から情報提供を受けたかまではっきりさせることは出来ない。
現状で彼女に私の位置を知らせる事が出来るのは2人。アニマス28からの応答がない以上は同時進行で亡国機業から派遣されていたエージェントを除いて他にいない。そして仮にも裏の人間が単なる民間の目撃者を生かして帰す
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