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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第七八幕 「重力への抵抗」
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が凄まじいスピードでせり上がってくる。
それを心底楽しそうに、プレゼントの中身を確かめる子供のような顔をしながら成尾は叫んだ。
「シーケンスB.D.はねッ!“量子化なんて夢が無い”って嘆いた社長に同調した俺達が組み込んだプログラムでね!!」
ISの量子化技術は素晴らしい。ISコア依存ではあるが、極所戦用などのパーツを装備するのに換装という手間がかからないから実に機能的だ。だが、日本人は古来より効率より非効率を取ることがしばしばある。
こと人型の機械に対する情熱は世界でも群を抜き、―――子供たちに夢とロマンと熱い魂を教えてくれた“ロボットアニメ”ではさらに顕著に表れる。
「・・・世界で唯一、この国のこの会社しか作らなかった・・・量子化を必要としないオートクチュール『合体プログラム』なのさぁッ!!」
合体機構にはメリットが無い。量子化すればそれで事足りる。そんなことは分かっていた。それでもこの会社の連中は・・・社長は、幼い頃に見た鋼の巨人たちを忘れることなど出来なかった。だから、これは挑戦であり、意味のないものであり、しかし夢だ。
瞬間、成尾たちの真横を“翼”が駆け抜けた。
ただの一度もテストなどしていない。そもそも、この非常用カタパルトによる射出など本来は想定していない。合体時に不具合が、合体後に不具合が、若しくはそれ以前にシーケンスが失敗したら・・・そんな可能性だってあった。だが―――
「行けぇ!!」
「行っちまえッス!!」
「「いけぇーーーー!!」」
「お願い!ユウさんに届いて・・・行っけぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーッ!!」
今この瞬間皆の想いは一つであったことだけは、確かだ。
弾丸のように空を駆けた”翼”と風花、その位置と距離が重なり、始まる。
バーニアサイドの連結部分の装甲が蜘蛛の脚のように解放され、連結パーツが有機的に絡み合い、繋がり合い、一つ余さずロックされてゆく。わずか数秒の内に、あらゆる動作に淀みも無駄もなく完全に噛み合った連結部分が背中と一体化した。パーツに通電し、エネルギーがスパークする。
遅れて、そこから分離した両腕部の複数ある補助パーツが力強く分離し、寸分の狂いなくISの装甲へ誘導されてドッキングに入る。乱暴なようでその実寸分の狂いもなくあるべき場所に収まった装甲が摩擦で火花を散らした。表面からは簡単に見えて、内部ではあらゆるエネルギーバイパスが間接と直接の両方で接続され、回転ボルトががちんと固定された。稼働を確かめるように勢いよく開いた手が、装甲が完全に腕と一体になったことを証明するように拳を作る。
大きなウィングパーツが駆動域を確かめるように上下し、次の瞬間変形をしながらウィングが更に分解され、見えない力で空間に固定された翼を形作ってゆく。
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