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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第七八幕 「重力への抵抗」
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に跳ね、結局鉄骨は空を切った。じゃりりりっ!とドゥエンデの脚が砂の上を滑る派手な音が響く。
たったそれだけの事。その砂音に、ユウはまたもや違和感を覚えた。何かが・・・何かがおかしい。
(・・・普通のISならバックステップ後に追撃を避けるため空中へ逃げる筈だ。反撃するならISの自動制震とPICを使ってステップを踏めばいい。それならば、何であいつはあんなに派手に後ろに跳ねた?何故足で無理やり勢いを殺すような面倒なことをしたんだ?)
何かがおかしいのだ。それは分かっていた。そしてその何かに辿り着く為のピースが、ユウの中でおぼろげながら組み上がっていく。
力が籠っていないはずの格闘攻撃。不自然な体のばね。考えてみれば空中を浮遊する際も少しおかしい所があった。あのISは空中にいる間常にスラスターを噴かしている。しかし、空中で静止する際はスラスターを吹かさずともPICが機体を空中に固定してくれるはずである。
しかし・・・あと少しで答えが出そうなのに、それが出てこない。せめてもう何枚か切れる札があれば何か掴めたかもしれないが―――と焦燥を募らせるユウの耳に、再びノイズ交じりの通信が入ってきた。つららではなく聞き覚えのある男性の声だ。あちら側の干渉が弱まっているのかそれとも内部のものかまでは分からないが、声はほぼはっきり聞き取れるようになっていた。―――まだ手があるかもしれない。
『・・・・・・ユ・・・君!聞こえるかい!?私だ、成尾だよ!!』
「成尾さん!?不躾で済みませんが“策”というのは使えますか!?」
本当ならばここは「無事でしたか」とか「そちらは大丈夫ですか」とか「僕はどうすればいいですか」とか、いろいろ言うべきことはあっただろう。しかしユウは今この段階でそんな気を利かせる気はなかった。既に風花のシールドエネルギーは半分を切っている。状況はあちらが有利。逃げるのならばまだ成功確率があるが、ユウはその選択肢だけは絶対に選びたくなかった。だからこその質問である。
成尾はその声にはっきりと応えた。
『ああ、もちろんだ!いいかい、ユウ君!!こちらが合図を出したら“風花”に搭載された『シーケンスB.D.』を適用するんだ!そのプログラムが風花と“翼”を結びつける魔法の呪文さ!』
「翼を結びつける、魔法の呪文・・・」
言葉を反芻したユウははっとなって背後に跳躍した。ユウの先ほどまでいた空間にドゥエンデがその高周波ブレードを振るったのだ。この調子で妨害されてはそのシーケンスとやらも実行できないのではないか?そんな思いが脳裏をよぎる。だがその不安は成尾の力強い言葉で打ち消された。
『こちらがヤツの動きを止めます!対IS用防衛装置の立ち上げに時間を喰いましたが・・・ユウ君、そこを動かないでください!!』
ガコン!ガコン
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