ラジエイトゲート〜
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「咲さんの演技力は見ていますし、髪色とかはカツラで誤魔化せばいいです」
「け、けど・・・!」
「咲さん、以前の約束を忘れたのですか?」
「ぐ、〜〜〜〜〜!?」
そう言えばそんな約束をしてしまった覚えがある。
「アニス、サキ。お願い!アリエッタも出るから、一緒にやろう!」
・・・俺は悪どい策略より、子供の純粋な願いの方がキツイことを知った・・・
・・・そして、劇が始まる。
「わははは。ボクはいたずら悪魔だぞ。みんなの大好きなお菓子をぜーんぶ独り占めだい!」
やばい。悪魔衣装が似合ってる上に、お菓子をお金に変えると違和感が消える。
「みんなのお菓子を返してよ!アニ・・・悪魔のいじわる!」
一方アリエッタは真っ白なワンピースに天使の羽とベタな服を着ていた。まあ、可愛いけど。
「アリ・・・じゃない。天使なんかが口挟むなー!」
そして、二人とも地が出かかっている。
「そんなことをしてはいけません」
初代導師役のフローリアンが登場。一瞬二人は固まったが、演技は続く。
「なんだ、お前は。このお菓子はぜーんぶボクのだぞ!」
「導師様、こんないたずら悪魔にはお仕置き・・・です!」
「いけませんよ、優しい天使。あなたはそんなことを望む天使ではない筈です」
「・・・(よし)」
特に大きなハプニングもなく、劇は進んでいく。そしてクライマックス・・・
「導師よ、死ね!」
「危ない、導師様!」
「・・・えい!」
アニスが暗殺者役とフローリアンの間に立ち、そのまま倒れ込む。
「いたずら悪魔さん。何故、僕を庇ったのですか?」
「ボクの初めての友達だからだよ。導師のお陰でボクは友達ができた。だからボクのお菓子は導師にあげる。ああ、こんなことなら、天使と喧嘩しないで、みんなにお菓子を分けてあげればよかった・・・」
「ああ、星よ。ユリアよ、ローレライよ。このいたずら悪魔さんを助けてあげて下さい」
『咲さん、出番ッスよ』
「別にユリアじゃなくてローレライで事済んだんじゃねえの・・・?ああ、くそっ!」
俺は半ば自棄になりながら階段を使い、上から現れる。
「いいえ、それはできません。それは死に逝く命を冒涜するのと同じなのですから」
白いドレスに栗色のカツラ。さらに女性陣によって施されたメイクによって、俺を男と気づく人間は少ないだろう。
「ですが、このままでは悪魔も天使も・
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