最後の戦〜
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・・まあ、な」
「アタシも死ぬ気はないけど、万が一の時に悔いを残したくないんだ。だから咲に言いたい」
「・・・」
翠の真剣な表情を見て俺も態度を改める。
「・・・正直、アタシがこの言葉を口にしていいか分からない。でも・・・やっぱり黙ってることが・・・自分を抑えるのはもう無理だ。だから言うぜ」
「ああ、聞くよ」
翠は大きく深呼吸をしてから・・・
「アタシはな、咲。・・・お前のことが・・・好きだ」
「・・・!」
思わず目を見開いて翠を見る。
「大分前から・・・好きになってた。けど恋が・・・詠がいるからって自分をずっと偽って・・・けど、それって逃げてるよな。アタシは逃げるのは嫌だ。だから・・・だから・・・こうして、伝えた」
「そう、か」
俺はふと今までの翠に対する態度を思い出し・・・ちょっと頭を抱えた。
「悪い翠・・・俺、今まで翠を傷付けてたかもしれない・・・」
「な、なんで咲が謝るんだよ!?」
「いや・・・」
『(咲さん・・・)』
「(分かってるよ)」
俺は翠を見る。
「翠」
「お、おう・・・」
気持ちを口にしたからか、翠の勢いがなくなり、凄く不安そうだ。
「ありがとう、気持ち・・・凄い嬉しい」
俺は翠に一歩近付く。
「今まで翠の気持ちに気付かないでいた最低な男だが・・・俺で良ければ、その気持ちに答えるよ。俺も・・・翠のことは好きだからな」
「・・・!!」
翠が驚き・・・涙を浮かべる。そして・・・抱き付いてきた。
「す、翠!?」
「・・・悪い、顔・・・見られたくない」
「・・・ん」
しばらくしてから翠が離れる。その顔は真っ赤だったけど笑顔だった。
「咲!アタシは絶対に死なないからな!咲も死ぬなよな!」
「当然だ。死んでたまるかよ」
翠が走っていく。
「咲ー!」
「なんだー?」
「好きだーーー!!」
「・・・ああ!」
翠の姿が見えなくなる。
「・・・恥ずかしがりやなアイツがなぁ・・・」
『吹っ切れた女性は強いってことッスよ』
「・・・なんだよ。ずいぶん知ったような口振りじゃねーか」
『企業秘密ッス』
「ほほう?主人の命令に従えないのかよ?」
『咲さん自身が言ったじゃないッスか。オイラは相棒ッスよー』
「ははっ、そうだな」
「・・・父さん・・・?」
「げっ、愛依・・・」
苦笑いしている愛依がやって来た。
「えっとな、愛依。今のは浮気とかじゃなくて・・・」
「ううん、知ってる。むしろそういう仲じゃなかったのが驚き・・・かな?」
「・・・俺が
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