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鋼殻のレギオス 勝手に24巻 +α
勝手に25巻(にあたる部分) 第一話
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た都市群もそれぞれもといた場所へ戻ろうと動き出している。ツェルニも当然同様の動きをとっており次第に遠ざかっていく。ちなみに動いていないのはもとからこの場所にいて、なおかつ都市の壊れっぷりが尋常でないため動けないグレンダンだけである。
 ニーナもクララも並を遥かに超えた武芸者であり、都市の移動速度を超えた速度を実現出来るのですぐに追い付くことができた。
 二人がツェルニの外縁部に着地するとそれを待っていたかのように背後に存在していたサヤの領域が解けるのを感じた。
「ふー、間一髪ってところですか。まあ実際はなんとか待っていてくれたんでしょうけど」
「だろうな」
 クララの漏らした感想にニーナも同意する。何だかんだと言って彼らは待ってくれそうな気がしたのだ。実際にはサヤの眠りは自分でコントロール出来ないので本当にギリギリだったのだが。
「さて、私は家に戻って一眠りしますけどニーナはどうします?」
「私は一度ツェルニに会いに行ってくる、それからだな」
「そうですか、ではここで別れるとしますけど覚悟しておいた方がいいですよ」
「ん、なにをだ?」
「武芸長への事情説明ですよ」
「それならクララ、お前も一緒だろう」
「ふふふ、私が誰で武芸長が誰だと思っているんですか」
「あなるほど、ってずるいだろうそれは」
 グレンダンが三王家の一つ、ロンスマイア家の次期当主であり天剣授受者でもあるクララに対し、ゴルネオが強く出られない可能性は容易に想像がついた。
「まあこれも一種の役得ってやつですよ。でもきっとグレンダンの、女王陛下の決定だとでも言えば簡単にすむと思いますよ」
 釈然としないながらもクララと別れある意味通いなれた機関部へ、そしてその中枢へと歩を進める。

 中心部に他の学生の影がないことは予想通りだったが予想外の事もあった。
 童女の姿をした電子精霊・ツェルニの他に夜色の少女、ニルフィリアの姿があった。
「なぜお前がここにいる」
 別に敵意の類いを抱くわけではないが、何を考えているのかわからない、そしてその周囲を引きずり込む魔性の魅力といえるものには警戒をせざるを得ない。
「言わなかったかしら、私にとってこの世界で価値があるのはツェルニだけだって。ツェルニにはなにもしやしないわ」
 ニーナが警戒しているのを見抜いているようにで嘲笑うかのように告げる。
 ただツェルニに手出ししないというのは本当でもそれは電子精霊としてのツェルニであって都市としてのツェルニではない。
「そういえばあなた、あいつと縁があったわよね」
「先輩のことか」
「そうよ、これでもあげるわ」
 二人の間に共通の話題になる事と言えばツェルニかディックの事ぐらいだ。逆にディックの事を話してわかるのもこの二人とアイレインくらいのものだが。
 そういって
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