『第三十九話』〜黒影〜
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け、公園の出口へ歩き出す。
「待って拓斗君!」
「月詠!」
「拓斗!!」
後ろで皆が何かを言ってるがそんなものはどうでもいい。
「安心しな、お前等の邪魔はしない。お前等の起こすことには俺は傍観させてもらう。ただな、はやてを悲しませてみろ。ただじゃおかない」
最後の言葉の時に殺気を放ち、俺はその場を去った。
シグナムside
「たくと…たくとぉ……」
「ヴィータちゃん、泣かないで。闇の書が完成して、はやてちゃんが助かってから皆で謝りに行きましょ?」
シャマルは抱きしめ、頭を撫でながら泣いているヴィータを慰める。
月詠が公園を去りすぐにヴィータは泣き崩れた。それほどショックだったのだろう。
私も強いショックを受けている。今の状態のヴィータがいるから平静をなんとか維持出来るといったところだ。
月詠が私達にあれほどの殺気を向けるなんて………
あの殺気は完全に私達に敵意を向けていたものだった。
それでも、全力の殺気ではなかった。おそらく、戦った時の実力も含めてほんの一部なのだろう。
「シグナム……」
ザフィーラが狼形態となって私の名を呼ぶ。人型ではない為表情は読めないが、きっと私と同じ気持ちなのだろう。ヴィータはもちろん、シャマルも。
月詠の言うとおりだ。我等は主のためと言って、肝心の主と一緒にいることが極端に減った。朝早くに家を出、夜遅くに帰宅すると言うのが殆どだ。
それで、悲しんでいる主はやてを見て月詠は懸命に調べ、私達を説得しようと戦った。
しかし、私たちはそれを拒んだのだ。
一体、彼はどんな気持だっただろう。
きっと私じゃ、想像で分かるようなものじゃない。
それでいいのだ。
元々我等は闇の書の守護騎士プログラム。道具として使われてきたんだ。昔から、多くの者に怨まれている。
それに、月詠に言ったではないか。
『だが我等は止まることはできない! 主はやてのためだったら我等はどんな罪でも被ろう! だから今は何があろうと止まれない……立ち止まるわけにはいかないのだ!!』
と……
「ヴィータ、シャマル、ザフィーラ」
「グズッ……シグナム?」
落ち着いてきたヴィータを始め、三人が私の方を向く。
「我等は守護騎士だ」
「当たり前でしょ? 何を言っているの?」
「主のためだったらどんな罪でも被ると誓った」
そう言うと三人はハッとした表情をする。
「そう…そうだったわね」
「我等
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