『第三十九話』〜黒影〜
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うとおりだ。おそらく、幻術魔法の類だろう。問題は本体が何処にいるかだ」
驚愕の声を上げるヴィータにザフィーラが落ち着かせ、シグナムが推測を上げる。
シグナムが推測を口にした瞬間、辺りに拓斗の声が響く。
「ザフィーラの言うとおりだ。確かに俺は実際に増えたわけじゃない。しかし、幻術魔法でもない。『別魅』という純粋な技だ。全てが本物で、全てが偽物。お前らに見分けられるか!?」
そう言いながら全ての拓斗が三人に襲いかかる。
三人は懸命に迎撃し、倒していくが打ち倒したのは全て偽物――残像だ。
全ての残像を倒した頃には三人は疲労困憊と言った状態であった。
周辺にいるのはシグナム、ヴィータ、ザフィーラの三人に、拓斗が張った結界の中で意識を失っているシャマルのみ。
拓斗の姿は何処にもなかった。
「ハァ…ハァハァ……クソ…拓斗の奴…何処に居やがるんだ……」
「分からぬ…しかし、近くにいることは確かだ」
「その通りだよ、ザフィーラ」
ザフィーラの言葉と共に、虚空から拓斗が姿を現す。
「最初から姿を消していたのか……」
「いや、正確には『ムーンデスサイス』を放った直後だ」
「卑怯だぞ!!」
「卑怯? 戦いに卑怯なんて言葉は存在しねぇよ……勝てば官軍負ければ賊軍だ。で、どうする? 続けるか?」
「…当然だ……!」
「主の命がかかっている……負けるわけにはいかない!!」
「はやてを助けるんだ……そのためにも!!」
そう叫びながら三人がぐらつきながらも立ち上がり、構えをとる。
「だが、こちらもはやての為だ。負けるわけにはいかない」
拓斗もそう呟きながらソウルを黒夜に変え、構えをとる。
「なんで……なんでだよ拓斗! なんでそこまでして首突っ込もうとすんだよ!」
「なんで? そんなの決まっている。お前等がはやてのためにしてるのと同じく、俺もはやてに笑っていて欲しい。言わなかったか?」
「だからってどうしてそこまで!」
ヴィータが悲痛な顔で叫んでいる。隣にいるシグナムやザフィーラも似たような顔をしている。
「それだよ…その顔だよ……」
「え…?」
「お前等がそんな顔してたら、はやては笑っていられない。だからはやてだけじゃない、お前等も一緒に笑っていないといけないんだよ!」
「だが我等は止まることはできない! 主はやてのためだったら我等はどんな罪でも被ろう! だから今は何があろうと止まれない……立ち止まるわけにはいかないのだ!!」
シグナムの言葉と共に騎士達の魔力が高まる。
「「ロードカートリッジ!!」」
[[『カートリッジロ
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