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王道を走れば:幻想にて
第三章、その3の2:前に一歩 ※エロ注意
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識的にも素人である。今の内に玄人の技や叡智を、それも超一級品のものを見てもらって自分の護りに役立てて欲しい。そういう願いも込めての訓練観察でもあった。
 アリッサも同じような答えに行き着いたのであろう、感心の篭った瞳でトニアを見詰めた。

「どうもお前に対する認識を改める必要があるようだ。お前は私の思っていた以上に賢く、そして気立ての良い女性だ。唯の騎士であるには惜しい」
「そんなに褒められては肢体の奥が熱くなってしまいますわ・・・。姉上、少し木陰に移動しません事?私を騎士としてではなく、女として、受け止めて下さい・・・」
「や、止めろ!!その妙に艶やかな瞳で私に迫るな!!」

 妖しき瞳を醸してすらりとした魅惑の身体を愛しき姉に押し付けるトニア。百合の花が咲き乱れる光景から慧卓は視線を離して広場を見遣る。最後の一人となった騎士は熊美に無謀にも鍔迫り合いを挑んでおり、今、熊美の膂力から逃れるように態勢を後ろに崩した。熊美は左腕を大きく横に広げ、その格好のまま突撃する。

「おおおおおおっっ!!」

 蛮声を吐きながら熊美は丸太のような腕を相手の顔面に叩き付け、騎士はバナナの皮を踏んづけたかのように呆気なく地に転んで意識を落とす。悠然と腕組をする熊美の周囲に、精鋭の誉れ高き聖鐘騎士団の骸の山が築かれていた。
 山の一角で、苦悶の声を漏らしながら中年の男が起き上がる。一足先に打ち倒されていた、騎士団の団長であった。 

「だらしないな、お前達。それでも武勇に誉れ高き聖鐘騎士団の一員か?」
「彼らにそんな無理を仰らないで下さい、クマ殿。精鋭といわれますが、今日の訓練に参加しているほとんどの者が新兵なのですから」
「新兵だからこそ、今の内に己の限界を超えて私に挑んで欲しいのだ。さすれば私が彼らの手を取り、壁を乗り越える手助けとなれるのだが」

 呻き声を放ちながら新兵の者達が起き上がりつつある。昏倒していた者達を仲間が頬を叩いたりして起こしあう。熊美は彼らに向かって銅鑼のような声で諭す。

「お前達全員っ、相手の剣一振り一振りを恐れ過ぎている!お前達の鎧は頑丈なものだ!貧弱な一刀は鎧に弾かれるし、強すぎる一刀は受け流すようにすれば鎧の強度に打ち勝てん!
 肝要なのは畏れぬ心だ!!お前達の剣は全ての雷を切り裂き、お前達の鎧は全ての風雨を弾き飛ばす力があるのだ!此処にお前達の勇気が加われば、この世に生ける全ての人間の中で、正真正銘、最強の力を備えた兵士となる!!それを理解して、更なる訓練に励め!いいな!?!?」
『りょ、了解!!!』
「声がっ!!小さぁあああいいい!!!!」
『了解!!!!!』

 命を絞るかのような怒声に熊美は満足の笑みを浮かべて首肯をする。実に暑苦しき光景に向かってトニアは冷静に言う。 

「加
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