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王道を走れば:幻想にて
第三章、その3の2:前に一歩 ※エロ注意
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怠感と、そして肢体の奥に漂う精液の執拗さに眉を悩ませながら歩きを続けている。
 あれから更に三度交わり、全ての強き奔騰を中で受け入れた。行為の心地良さに理性がふわりと浮いてしまい、最後の辺りではミント自身から腰を振って強請っていたような気さえしてくるが、唯の錯覚であろう。接吻を交わしていない事だけが一応の救いである。
 男は奥から三番目の部屋に辿り着き、その戸を手でこんこんと鳴らした。

「親分、客人です」
『・・・なんだ、また客か。そう言ってこの前は玉を切り取られそうになったんだぞ・・・、後一個しかない玉をだ。客など信用できん』
「親分、相手は華奢で、しかも熟れた女です」
『・・・・・・』

 戸が内開きに開く。髪の毛が後退した小太りの男である。目つきだけは厭に攻撃的であり、宛ら屠殺作業中の養豚所に紛れ込んだ太った蛙である。

「親分っ?」
「お前は戻れ。警戒を続けていろ」
「り、了解です」

 男は敬礼をして、去り際にミントと視線を交し合って去っていく。その交し合いは紛れも無く、次の情事を匂わせるようなものであった。

「女、来い。余計な事を言うんじゃないぞ」

 男は豚のようなくぐもった声で言って、部屋から出る。ミントが驚くのを他所に男は迷い無く一番奥へと向かう。禿を散らかした頭を見詰めながらミントも付いて行った。

「入るぞ、ミルカ」

 男が声と共に乱暴に戸を開けた。テーブルに向かって書類を広げていた金髪碧眼の美少年、ミルカは忌々しげに男を見やった。

「・・・また貴方ですか。なんですかいきなり。こっちは書類が煮詰まって大変なんですよ。唯でさえ不快な蛙面を歪めてまで訪れないでくれます?」
「ふんっ、相変わらずいけ好かない餓鬼だ。だが働き者なのは感心だ。そう思って貴様に過ぎたる褒美をくれてやろうとしたのだが・・・」
「は?褒美?あ、あの、大丈夫ですか?頭ちゃんと回ってます?蛆虫に脳味噌食われたりとか、死霊術に傾倒したりとかしてませんよね?」
「・・・それは冗談なのか?本音なのか?」
「どっちにしたって貴方は嫌いです」
「ぷっ」

 男の背中でミントが噴出す。苛立って舌打ちしながら男は女を掴み、それをミルカの方へと差し出した。

「何ですか、それ」
「褒美だ」
「・・・人肉は食べた事無いから、ちょっとしたチャレンジですね」
「馬鹿犬め。そんな事をしたらいくら俺達でも宮廷には居られんぞ。よく見ろ、見た事があるだろう?」

 彼女の顎を指で掴んでミルカに無理矢理向かせた。気品のある顔付きは凛々しく、事後の臭いを感じさせない。ミルカはあっと声を出す。

「・・・思い出した。あのろくでなしの無駄飯喰らい、低俗な詩が大好きなミラーの奥様。お元気でしたか?」
「私の夫を侮辱するのは
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