第175話 存在
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ったマヤ。あの時は「もう決まった事だから」と言っていたが、トーヤはまだ罪悪感を感じていた。
その時―――
マ『トーヤ後ろ!』
ト「え?うわぁっ!」
トーヤが後ろを向いた時にはすでに遅かった。音も無くトーヤの背後に現れたのはオーガンスだった。顔全体を覆う銀色の仮面が不気味なオーラを漂わせている。
トーヤを襲ったのは死者の亡霊。それを無防備だった背中で食らった為、宝を1つオーガンスに奪われる。
マ『まさかあいつ、ずっとトーヤの後をつ』
マヤが全て言い終わる前にパキィン!とトーヤの耳元でピンマイクが粉々に砕け散った。粉々になったピンマイクは地面に落ちる。マヤとは音信不通になってしまった。
ト「マヤさん・・・」
トーヤは地面にしゃがみ込み、粉々になったピンマイクを救い上げる。
しばらくしてからトーヤは立ち上がると目の前にいるオーガンスを睨み付ける。
ト「僕に何か御用ですか。」
口調は常に敬語だが、今のトーヤはいつものトーヤではない。オーガンスはトーヤの問いに答えず、右手をゆっくりと前に突き出す。すると、
ト「!ぐわぁっ!」
目に見えない波動で吹き飛ばされた。また攻撃を食らった為、また宝を1つオーガンスに奪われる。起き上がろうとした瞬間、
オ「フン!」
ト「がはっ!」
オーガンスの後ろ回し蹴りがトーヤの鳩尾にきまる。また攻撃を食らった為、また宝を1つオーガンスに奪われる。―――――トーヤが所持している宝は残り1つ。
ショ「あいつ、さっきからトーヤしか狙っていない。」
映像魔水晶の映像から一度も目を離さずに見ていたショールが呟く。
フ「おいおい、トーヤが持っている宝、後1つしか残ってねぇぞ!」
ユ「しかも、40個の内見つかっていない宝の数も残り1つ・・・」
トーヤとオーガンス以外の魔道士達は最期の1個を見つける為に各舞台を行ったり来たりの繰り返し。
エ「マヤとトーヤは今音信不通の状態。」
グ「今のトーヤにとって、めちゃくちゃ不利な状態だ。」
オ「このまま終わるのかい?怪物よ。」
仮面越しにオーガンスが言う。仮面を着けている為表情は分からないが、この時トーヤにはオーガンスが不気味に微笑んでいるように見えた。
ト「・・お・・・終わり、ません・・よ・・・・」
よろめきながらも、トーヤはその場に立ち上がる。顔を上げ、穏やかな紫色の瞳でオーガンスを見つめると、
ト「・・・ぼ、僕一人の・・せい、で・・・・み、皆さん・・に、迷惑・・・を、か・・掛けたく、ないから・・・」
それを聞いたオーガンスはしばらく何も言わずにその場に佇んでいた。が――
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