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王道を走れば:幻想にて
第二章、終幕:初旅の終わり ※エロ注意
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「へぇー。侍女さんの弟さんは、御職業は何に就かれているのですか?」
「地図の製作業です。お国の方から仕事を一任してもらえるほどご信頼を頂いてるのです。最近は連絡が取れておりませんが、でも元気でやっているようです。何処かでお見かけしたら、どうぞ声を掛けて下さいまし」
「はい、喜んで掛けさせていただきます」

 それを機として、会話が続かなくなる。何か次の話題を探している間にも、リタは手早き手の捌きで慧卓の背面に付着した油が描き終えた。
 彼女は瓶と道具を片手に前へと回り込もうとするのを見て、慧卓は流石に焦る。

「っ、あの、前は自分で出来ますから...」
「ケイタク様。どうぞ私に恥を掻かせないで下さいませ。一人の侍女として、奉仕をさせて戴く方のお手を煩わせるのは職務を完遂できぬ者としての恥であります故」
「あっ、はっ、はい、すいません・・・じゃぁ、お、お願いします」

 リタが慧卓の前へ腰を下ろし、甘やかな傅きを始める。油を慧卓の身体に塗してそれを手で広める。肩先から垂れ始めた油が胸を伝い、臍の方へと垂れる。それを追いかけるようにリタの細やかな手付きが蠢き、肌をびりびりと刺激してしまう。
 膝を突くリタは若干前屈みとなっており、リタの細い愁眉から涙黒子、そして僅かに覗く胸元の谷間に至るまでつぶさに視界に映ってしまう。慧卓は視線をやり場に困り、思わず瞼を閉じる。だが一度見た妖艶なものがなだらかな手付きとともに、自然と慧卓の頭の中に過ぎっていく。

(仄かに、甘い香り・・・白い肌。綺麗な顔立ち・・・)
「っ、これは・・・」

 リタのどよめきを受けて慧卓は視線を戻す。丁度、膝を突いた彼女の胸元辺りに、びんと男の一物が布越しに屹立しているのがわかった。

「・・・その、これは自然現象というか、表裏一体の理というか・・・」
「・・・一先ずは油を落させて戴きます」

 リタは静かな表情を崩さず、木製の鉤にて慧卓の汚れを落していく。気まずげな沈黙が漂い、両者は言葉を伏せたままに油の薫りを受け入れていく。

「さぁ、湯の中へ」
「・・・はい」

 慧卓はリタから視線を逸らしたまま張られた湯の中へ身体を忍ばせていく。湯気の熱気に当てられ続けてか、それほど熱くは炊かれていないのか、湯の中へ入るのに抵抗は無かった。
 世界に問わず、その中でほっと息を吐く事のなんと心地良い事か。心中の緊張を解けさせようとする彼の目端で、リタがするすると己の外套を脱ぎ去ろうとしていた。

「えっ!?あの、侍女さんっ!?」
「なにか?」
「なんで、何故に脱ぐんですか!?」
「これも御奉仕で御座います故、どうぞお受けになって下さいまし」
「はっ、はぁ・・・分かりました・・・」

 押し切られる形の慧卓を他所に、一枚布がさっと地面に
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