暁 〜小説投稿サイト〜
無欠の刃
幼い日の思い出
いつも通り
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が赤いままのカトナと、自分よりも大人の兄を見比べる。
 照れているらしいカトナを見たサスケは、面白くなくなって、先程までイタチの手が置かれていた頭に手を伸ばす。
 自分よりわずかに高い位置にある頭を撫でまわす。

「? サスケ? どうし、たの?」
「…なんでもない」

 むくりと一気にふてくされた様子のサスケに、戸惑ったようにカトナは首をかしげた。
 ぱちぱちと赤い瞳が瞬いて、その奥にある瞳に気づかわし気な色が浮かぶ。
 しかし、それだけだ。
 イタチがなでたときのように照れない。うれしそうにもならない。更にサスケは頬を膨らませた。
 困ったようにカトナがイタチを窺う。
 イタチはくすくすと微笑しつつも、サスケをいさめる。

「サスケ、カトナが困っているだろう?」
「…だって」
「? こっ、困ってないよ。うれしいよ」

 サスケが怒られると勘違いしたカトナが、たどたどしい口調ながらも本音を紡げば、サスケは膨らませた頬をすぐさましぼめた。
 彼は嬉しそうに、カトナの髪の毛をくしゃくしゃにかき回す。

 「わっ」

 サスケは悪戯っ子のような笑みを浮かべながら、カトナの驚いた声に更に笑う。
 カトナがむくれたように頬を膨らませ、サスケの背中をやさしめの力でポカポカと叩いた。
 ナルトがその姿に自分も混ざりたいと思ったのか。勢いよく助走をつけて二人の背中に飛び掛る。
 いきなり背後から背中に襲いかかった衝撃に、ぐらりと二人の体が揺らいで、前のめりに倒れる。

「うあっ」
「ちょっ、ナルッ」
「どーん!!」

 三人が地べたに倒れ込む。
 受け身を取ったサスケはともかく、カトナは頭から突っ込んだらしい。ぺっぺっと口から砂を吐く。
 慌ててごめんというナルトに、サスケがだからお前はウスラトンカチなんだと悪態をつく。
 なんだととムキになるナルトの隣で、カトナは苦いと舌を出す。
 彼らは口々に何かを言い合っていたが、やがてそれすらも面白くなったのか。突然笑いだす。

 子供らしい、他愛もないことに喜ぶその姿に、イタチは仲良しだなと小さくつぶやく。
 うちはの末子と九尾の人柱力の仲がいいなんて、前代未聞だろう。
 そんなことを考えながら、後方を顧みる。
 彼の目が、木陰に隠れていた特殊な暗部をとらえる。
 カトナ達の監視を言いつけられた、木の葉ではもう禁忌とされた狐の面をつけた男は、イタチに見られたことに気が付いたようだった。
 一瞬身を固くし、それでも警護を続けることを選んだらしい。
 黒色のフードを更に深くかぶり、じっとその場に立ち続ける。
 それにイタチは眉間にしわを寄せながらも、口の動きだけで言葉を伝える。

 ”消えろ”
 
 イタチのその言葉に、一瞬、暗部の人間は
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