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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第332話】
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 プルルルルッ――プルルルルッ――。

 耳に当てた携帯電話から聴こえる相手への通知音。

 この出ない間の待ち時間が少し煩わしい気がするが――と。


『ど、どうしたのよヒルト? き、急に電話かけてきたらびっくりするでしょ!?』


 ……繋がったかと思えばいきなり怒鳴られてしまう。


「仕方ないだろ、電話何だから。 それとも、これから電話するぞーってメール送ればいいのか?」

『う……そ、そぅじゃなぃけど……さ。 ――こ、心の準備ってもんがあるでしょ!』


 なんじゃそりゃ――とはいえ、もしかすると女の子には男子に言えないような身支度などがあるのかもしれない。


「わかったよ、次からはいきなりかけないから――」

『な、何でよッ!? いきなりでも良いからかけて来なさいよ、バカッ!!』


 ――まさしくなんじゃそりゃ。

 苦笑を溢しつつ、廊下の壁に凭れると俺は――。


「そういやメール見たぞ? 援護出来なかった事なら気にするなよ、訳があったんだろ?」

『ま、まぁね。 まだ避難の遅れてた人が居て、アタシとシャルロットの二人で誘導してたから』

「なら謝る事じゃないだろ? それは代表候補生として当然の事じゃないか」

『そ、そうだけど……』


 少し言葉を濁す鈴音――。


「とにかく、気にするなよ。 皆も無事だったんだし、鈴音やシャルは今出来たことをちゃんとした。 だから何も謝る必要なんてないさ、な?」

『う、ぅん。 ……ありがとう、ヒルト』


 声に少し元気が戻った気がした。

 何にしても、鈴音が落ち込んだような声を出すのは似合わないだろうしな、これが。


『あ、ヒルト? まだあんたの部屋に一夏居るの?』

「ん? 多分まだ居ると思うが――どうしてだ?」

『ま、まぁ少しアイツに話があってね。 だから後であんたの部屋に行くから』

「了解。 んじゃ、またな鈴音」

『う、うん。 ……またね』


 プツンッ――通話の切れる音が聴こえると、俺は再度携帯の着信履歴を見始める。

 次に電話をかけるのはシャル――と、携帯の着信音が突如鳴り響く。

 勿論俺の携帯なのだが、少しビクッと反応してしまった――電話の相手は、今まさにかけようとしていたシャルだった。

 通話ボタンを押し、俺は電話に出ると――。


『も、もしもし? ヒルト?』

「あぁ、俺だぞ? どうした?」


 電話の向こうのシャルの声色に緊張の色が見えた――緊張する必要はない気もするが。


『え、えっと……その、援護出来なくてごめんね……?』

「ん? ――あぁ、その話ならさっき鈴音に訊いたよ。 避難が遅れた
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