第3章
月光校庭のエクスカリバー
第57話 恋慕する千秋
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いな?)
千秋が待ち合わせ場所に来てから、もう二時間近く経っている。
その間千秋はガラスに映る自分を見て何回も前髪を弄くったりしていた。
(これは千秋が待ち合わせ時間より早く来てるな)
イッセーの奴が女子との約束の時間に遅れる事はまず無いだろうからな。
何回目かの前髪の整えを終えた千秋に男が二人近付いてきた。
明らかにナンパだな。
俺は首に掛けているヘッドホンを装着する。
コイツは賞金稼ぎ(バウンティーハンター)内で、使われている集音機である。
視界が利かない時の周りの状況の確認や討伐対象の索敵などに重宝する。
試運転も兼ねて今回の様子見に持参した。
視覚強化で様子を見ながら聴覚強化と併用して千秋と男達の会話を聞く。
ヘッドホンから会話内容が聴こえてきた。
『「ねえねえ君一人?よかったら俺達とどっか行かない?」』
『「……いえ、人を待ってますので」』
千秋は仏頂面で返す。
『彼氏?彼女を待たせるような男なんて放っておいて、俺達と遊ぼうぜ♪』
『「………」』
ガン無視だった。
『「どうせ冴えない奴なんだろう?」』
『「俺達の方が断然カッコいいぜ♪」』
男達は自己アピールしだすが、千秋からしてみれば鬱陶しいだけだった。
ちなみに助けずに傍観しているのは…。
『「おい!さっきから無視してんじゃ…」』
『『っ!?』』
未だに無視する千秋に苛立ったのか、男の一人が千秋の手を取ろうとするが、千秋は軽やかに避け、顔面に向かって鋭い蹴りを寸止めで放つ。
余談だがこの時、千秋はもう一人の男にも蹴りを放っていたが、速すぎて端から見れば手を取ろうとした男にしか蹴りを放っていないようにしか見えなかった。
男の方は確実に蹴りの風圧を感じているだろうが。
『「……次は当てる」』
『『は、はいぃぃぃっ!!』』
千秋の声音の低い言葉に男達は悲鳴を上げて逃げていった。
周りの通行人(特に女性)が今のやり取りを見て「おおぉ〜…」と感嘆の声を出していた。
とまあ、こうなるだろうと思い、特に手を出さなかった訳だ。
イッセー柄みになればいろいろとアレだが基本アイツは冷静に物事に対処できるのである。
とかやってる間にイッセーがやって来た。
とたんにさっきまで不機嫌だった顔が嬉しそうに笑顔になる。
イッセーと千秋の会話がヘッドホン越しに聴こえてきた。
『「ごめん、待ったか?」』
『「ううん、私も今来たところ。寧ろまだ約束の時間じゃないし」』
『「はは、一時間も前に来るなんて、お互いよっぽど楽しみだったんだな」』
おいおい、約束の三時間も前に来てたのかよ、千秋の奴。
『「早いけど行くか」』
『「うん!」』
想定外の一時間も早くのデートに千秋は顔がほころびていた。
イッセーと千秋は自然に手を繋ぐ。
千秋は照れていたがイ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ