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王道を走れば:幻想にて
第二章、その3:御勉強です、確りなさい
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います」
「...私は賛成だ。ケイタク殿が提案した策の規模を考えるに、成功すればこの街の繁栄に大きく貢献する事になる。...無論、王女殿下の心を掴むのが最重要課題だがな」
「加えてこの計画を鑑みるに、割と簡単に準備が出来そうだ。この街には余剰食糧がふんだんに蓄積しているし、交通の要衝だから商人も集結している...いけるかもしれんな」
「上手い飯がいっぱい食えるってんなら大賛成だ。ミシェル、お前はどうよ」
「ん〜...まっ、いいんじゃないか?お祭り事ってくれば、皆結構乗り気になってくれそうだし」

 大きな利益を思いつく者、現状と照らし合わせる者、愉快に生を謳歌する者。皆が皆それぞれの納得を示しながら慧卓に向かって首肯を落す。慧卓は爽やかな笑みを見せる。

「では、決定という事で?」
「あぁ。となれば時を無駄には出来ん!早速街の造営官と財務官の下に行ってみるとしよう」
「では、私はこの街の商人ギルドの長に当たります。お前達は手の空いた者を率いて商人館と色町に行け!大量の人と物資が動くと聞けば、商人達は絶対にこれを看過しない筈だ!」
「合点承知!」
「小隊長も引っ張って行きますよ!!」

 いうなり若き二人の兵は足早に部屋を去っていく。どかどかと廊下を駆ける音を背後に、アリッサらは最後に言う。

「ではケイタク殿、我等はこれにて。殿下を足止めしておいてくれよ?」
「くれぐれも、殿下には内密にお願い致しますぞ...」
「えぇ、承知しました!皆さん、お願いします!!」

 頼り甲斐のある精悍な笑みを見せて、アリッサとハボックもまた廊下へと飛び出した。軍靴ががたがたと廊下を鳴らす音は流石に騒々しいものだ。
 隣人も同じ気持ちであるのか、コーデリアが訝しげに顔を見せてきた。

「ケイタク様、皆さんはどうしたのですか?何やら慌てふためいて外へ飛び出していきましたが」
「あ、ああ!あれはですね、今天気が晴れているでしょ!?だから雨が降らない内に自分に必要な物資を買おうと突っ走っているだけですよ!」
「?そういうものなのですか?寧ろ皆さん、階段を駆け下りる時、まるで何かを企んでいるような笑みを浮かべていた気がするのですがーーー」
「さぁ姫様!!知識の勉強だけでは流石に俺もぐったりしちゃいますから、今度は礼儀作法でも教えてくださいな!貴方にまで恥を掻かせては俺情けなくて死んじゃいそうですから!」
「わ、分かりましたから!背中を押さないで下さい、もうっ!」

 露骨に話を逸らす慧卓の勢いに押されつつ、コーデリアは己の部屋へと彼を招きいれた。
 向かいの部屋で寝台に横たわりながら一部始終を聞いていた熊美は、溜息を零す代わりに寝返りを打った。 

(......やれやれ、とんでもない事に発展していってるわね...まぁ、好
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