第T章:天使炎上編
03:第四真祖、監視役、番外真祖、あと王女
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「すまん!俺が悪かった!」
現在暁古城は、全力で頭を下げていた。理由は簡単。ベアトリス・バスラー(及びその陰にいると思われる叶瀬賢生)に騙され、無人島に置き去りにされた古城と雪菜。ねぐら代わりに打ち捨てられたトーチカ(戦争とかで立てこもるために使う建物らしい)を見つけた二人は、とりあえず次は食べ物を確保しようという事で合意し、食料の調達に出たのだ。そこで古城は、テレビでショック漁法とか言って電気で魚を捕まえる方法をやっていたのを思い出し、丁度いいのがいるじゃないか、と眷獣、《獅子の黄金》を放ってみたのだが……
結局漁には失敗。圧倒的な第四真祖の眷獣のパワーでまき散らされた海水が、思いっきり雪菜にぶっかかってしまった、と言うわけであった。
「はぁ……もういいです」
「ああ、ホントごめん……で、姫柊は何をしに来たんだ?」
「夕食の用意ができたので呼びに来たんです」
そんなわけで連れだって雪菜自作のかまどの近くまでやってきた古城達だったが――――並べられていたのは、全部ヤシの実で作られた料理だった。食えないわけではなかったのだが、どうやら雪菜はそこまで料理スキルが高いわけではないようだった。
料理スキルが低いと言えば――――浅葱の料理は壊滅的だったよなぁ……そんなことを思って、あ、と古城は声を上げる。
「やべぇ、浅葱に美術の課題手伝うって約束してたの忘れてた」
「藍羽先輩……ですか。……それはちょっと希望が持てましたね」
「ああ」
藍羽浅葱は、約束をすっぽかして何処かへ行った友人を黙って許すような人間ではない。間違いなく持ち前のハックスキルで古城の場所を特定し、追いかけてくるだろう。そして浅葱が来るのであれば、そこまで何らかの移動手段を引き連れてきてくれる可能性もある。
「けどヘタにメイガスクラフトに近づいたら浅葱が危なくなるような……」
「……先輩は、いつも他人の心配ばっかりですね」
隣で、雪菜がふふっ、と笑う。微笑を浮かべる彼女に、思いのほかドキドキさせられてしまう古城。やめろやめろ。こいつは中学生だぞ。その中学生に性的魅力を感じて吸血行為をしたのはどこの第四真祖だったか。いやいやあれは緊急措置だったはずで……。
「――――先輩のそう言うところ、ちょっといいと思います」
「え?」
「何でもないです」
雪菜が小さくなにか言ったような気がしたが、聞くことができなかった。問い返した古城には答えずに、雪菜は海を見る。
「……綺麗ですね」
「……ああ」
間もなく、夕日が沈む。
***
「あー、えーっとですね」
「はい、どうしました?魔城」
「あのですね?ラ・フォリア。これはどういう事ですか?いったい何をさせようと
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