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駄目親父としっかり娘の珍道中
第57話 お話の黒幕ってのは大概冒頭で死んだ奴だったりする
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にて源外は結論を語った。林博士は最初からこの事件に加担していたのだ。いや、この事件の黒幕こそが林博士その人だったと言える。

「銀ちゃん。確か例のからくりメイドって一箇所に集められて処分されるって言ってた筈アル」
「ちっ、散り散りになった戦力を処分の名目で集めたって事か。飛んだ策士だな。先祖は諸葛孔明とかか?」

 頭を掻き毟りながら銀時は愚痴る。

「って、それって相当やばいんじゃないの?」
「あぁ、奴等は只のメイドじゃない。お前等の世界の技術を使える強化型メイドだ。もし奴等が軍団で押し寄せてきたら相当やばいぞ。お前、この世界でまともに戦えるのか?」

 銀時は問い掛けてみたが、それに対しフェイトはかぶりを振った。

「あっちの世界みたいに高速での戦闘は出来ない。空も飛べないし、それに収束魔砲も出来ない」
「魔砲って、あの時俺に撃った奴だよな。でも何でだ?」
「収束しようとしてもこの世界の力が作用して拡散してしまうみたいなの。つまり、幾らチャージしても魔力は集まらない」

 結論から言えば、この世界に居る限り魔導師は飛行魔法、並びに収束魔砲が封じられた状態になる。決め手を封じられたとなればかなりキツイ戦いになるのは目に見えている。

「それだけじゃないよ。この世界じゃあっちに比べて魔力の消費量が半端じゃなく多くなっちゃうんだ。だから、この世界じゃバリアジャケットも長くは纏っていられない」
「時間からしてどれ位だ?」
「長く見積もっても30分が良い所だね」

 更に時間制限つきと来たもんだ。これはもうお手上げといいたくなる心境だろう。
 片やペナルティ付きで、相手はチート性能の軍団と来た。明るい材料が見当たらない。

「そうアル! アースラの皆に応援を呼ぶってのはどうアルか?」
「流石だぜ神楽! クロノだったらすっ飛んで駆けつけてくれるだろうよ」

 いや、まだ光明はあった。あちら側の世界で世話になったアースラ隊のメンバーに救援を頼み込むのだ。幾らペナルティが掛けられていたとしてもクロノならばそれなりの戦力になる。
 それに手勢が増えるのは有り難い事だ。となれば善は急げだった。

「うし、フェイトはとっととアースラに戻ってこの事を伝えろ!」
「分かった。源外さん、すぐに転移装置を起動させて!」

 意気揚々と頼み込むフェイト。だが、人生はそんなに甘くはなかった。

「残念だが、無理だ。お前等が無理やり転移したせいで、今の転移装置はこの様だよ」

 源外が指指す先には、黒煙を巻き上げながら火花を撒き散らすボロボロの状態の転移装置が其処にあった。
 どうやら此処に来る際に無理やり転移して来たフェイト達のせいで転移装置に負荷が掛かり過ぎてしまいそのまま破損してしまったようだ。
 これで
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