第57話 お話の黒幕ってのは大概冒頭で死んだ奴だったりする
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今夜中にゃスクラップだ。これにて万々歳だな」
まるで他人事かの様に源外は呟いた。彼にとっては他人事で間違いないのだろう。
だが………
「泣いてたぜ。その下手人がよ」
「なんだと?」
「理由は分からねぇが、そのからくり。ボロボロと泣いてやがったぜ。心を持たないからくりだってのによぉ」
銀時は語った。例えからくりの目から流れた物だとしてもそれは間違いなく涙だったのだ。
その涙の意味を銀時は知る筈がない。只、ただ涙を流していたそのシーンが頭の中に焼きついていた。
「からくりが涙を……流山め、まだそんな物を作ってやがったのか」
「じいさん、あんた知り合いだったのか?」
「あぁ、昔な。だが仲が良いって訳じゃねぇ。言ってみりゃ腐れ縁って奴だよ」
そう言うなり源外はまたテレビを弄り始めた。弄りながらも源外は語っていく。
「見ての通り、俺のからくりはごつくてやぼったい代物だろうが、野郎の作るからくりはまるで生きた女の様な姿をしてるのが殆どだった。ボディではなく頭脳に大半の技術を費やす事で、まるで人間の様なからくりを作ったんだよ」
「けっ、何が人間の様なからくりだぁ。人間を作りたいんだったら嫁さんこしらえて毎晩腰振ってりゃポンポン出来んじゃねぇか」
耳を穿りながら呟く銀時。そんな銀時の後頭部に閃光の刃が突き刺さった。
「んでっ!」
「下品な話に振らないでくれない? 耳が腐ったらどうするつもりよ!」
後頭部を抑えて蹲る銀時の後ろで、とても冷めた目線でそれを睨むフェイトの姿があった。
まぁ、耳が腐るのとかどうのとかはどうでも良く、単に攻撃したかっただけなのだろう。
「てんめぇ、何すんだ! 痣とか出来たらどうすんだよ!」
「ならいっその事痣だらけにしようか? それとも風穴開けて欲しい?」
再度睨み会う両者。この二人が近くに居るとそれだけで喧嘩モードに入ってしまうようだ。
とりあえずフェイトの方がアルフが抑え込み、銀時は神楽の鉄拳でその場を収めるに至った。
「ま、世の中全部が俺やお前みたいに乾いた連中だけじゃねぇってこったなぁ」
「どう言うこったぁ?」
「野郎が変わっちまったのは一人娘が死んじまってからだ。奴は人間の感情をデータ化する技術を完成させてな、その実験台に用いたのが事もあろうに自分の娘だったって訳だよ」
信じられない話だとばかりにフェイトとアルフの両名は目を見開かせていたが、銀時はさして驚いてる様子はなかった。
「実の娘を実験台にって、そんな―――」
「お前さん所じゃ珍しいかも知れねぇがな、此処江戸じゃぁさほど驚く事じゃねぇんだよ。人によっちゃぁ子が親を殺す事だってざらになくあるんだしよぉ」
源外のそれを聞いた途端フェイトの顔が青ざめ
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