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少年と女神の物語
第六十四話
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ない」

 そう、その存在を変幻させる。
 この瞬間から、ここには一切の被害が及ばない。そんな空間に変幻した。
 まあ、まつろわぬ神かカンピオーネが権能で攻撃したらその限りじゃないけど、それでも津波なんかからは守れる。

「じゃあ、そこでちょっと休んでてよ。その間に、俺があの蛇殺してくるから」
「あ・・・うん。いってらっしゃい!!」

 林姉の笑顔に送られて、俺は跳ぶ。
 そして、掌握した権能のもう半分を、発動する。

「我が姿は変幻自在。我が存在は千変万化!常に我が意思のみに従いて、自由自在に変幻する!」

 この瞬間に、俺の頭の上に木の葉が現れる。
 いかにも狸っぽくて、いいじゃないか。あ、念のためにあれも使っておくか。

「我は永続する太陽である。我が御霊は常に消え常に再臨する。わが身天に光臨せし時、我はこの地に息を吹き返さん!」

 そして、この言霊を唱え終わるのと同時に、俺は海に入った。

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