第六十四話
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だが、今はそんなことはどうでもいい。一秒でも早く、力が欲しい!
――――ならば、この力を掌握して見せよ。
ああ。貰うぞ―――その力!
俺は意識の中でオランダ人に手を伸ばし・・・その中にある、木の葉と煙の紋章を、掴み取った。
◇◆◇◆◇
意識がこっちに戻ったか・・・でも、凄く落ち着いてる。
俺がどんな権能を手に入れたのか、正直表面しか理解できてない。それでも、この状況から簡単に抜け出せるのだけは分かる。
まあ、なんにしても・・・まず、林姉をどうするか、だよな・・・このまま権能使ったら、俺の代わりに林姉が巻き込まれかねない。そうなったら、間違いなく林姉が死ぬ。
かといって、腕とかをタップすることも声をかけることも出来ないわけで・・・これしかないか・・・
俺は、林姉の口の中に俺の舌をねじ込んだ。
「?!‘*#$%$“#”?*!!?」
わっかりやすい反応をして、林姉は俺から離れる。
顔も真っ赤だな・・・今回ばかりは、結構罪悪感が。
そんな事を考えながら、俺は林姉に対して頷いた。
大丈夫、後は何とかするから、という意味を込めて。
それがちゃんと通じたのかは知らないけど、林姉はそのまま少し離れて、距離を置いてくれた。
よし、あとは・・・俺は締め付けられている中で全力で動き、体は背中側に、手はそれと反対向きに動かして空間を作り・・・ポン、とはらづずみを打つ。
その瞬間にドロンッと音を立てて・・・俺は小魚になった。
なので、俺は締め付けられる前に全力で泳いで逃げ出し、林姉のそばで再びもとの姿に戻る。
すぐ横で林姉が驚いた顔をしているが、それを無視して脇に抱え、全力で泳ぐ。
後ろから何かでかいのが追って来てるのだけは分かったから、水中で素早く動く自分、を想像しながら再びお腹を叩き、一気に加速する。
そのまま水面に出るのと同時に、言霊を唱える。
「我は緑の守護者。緑の監視者である。我が意に従い、その命に変化をもたらせ!」
海底に生えていた海草、あれだって植物の一種だから豊穣王で操ることが出来る。
それをまとめて操って、即席の足場を作成。林姉をそこに寝かせる。
「ムー君、これは・・・?」
「海草のベッド。寝心地の方は保障しないけど、それでも安全地帯であることは保障するよ」
そう言いながら林姉の頭をなで、言霊を唱える。
「この世の全ては我が玩具。現世の全ては我が意の中にある。その姿、その存在を我が意に従い、変幻せよ!」
言霊を唱えて、俺は先ほど掌握した権能の半分を発動。
そのまま海草のベッドに手を向けて、
「汝は不動要塞。何があろうとも、汝に及ぶ被害は存在し
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