第六十二話
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「ですが、海の中にも生態系が存在することを忘れないでください。さすがに、海の生態系が大きく崩れるなんてことになったら・・・」
ああ・・・人類絶滅の可能性もあるなぁ・・・
「分かりました。海の中では全なる終王は使いません」
「よろしくお願いします」
海水は簡単に電気を通す。
そんなところに高圧の電気・・・雷なんて出しちゃったら、もうその周辺の生物は全滅だろう。
よりにもよって権能で生み出す雷だから、その威力がどこまでの範囲に広がるかを考えると・・・うん、絶対に使えないな。これは冗談抜きで。今すぐ破壊者でぶち壊しておいた方がいいと思えるくらいには。
「では、行ってきます」
俺はそう決心してから、海の中を泳ぎ始めた。
さすがにまだ浅いところには何もいない。それでも念のために確認しつつ進み・・・気がつけば、結構深いところまできていた。
周りを見回してみても、いるのは深海魚ばかり。深海魚ってどれくらいからいるんだっけ・・・そんな事を考えながら、どんどん潜っていく。
余談なのだが、俺は結局終なる全王を使っている。口の中、という限られた空間で、だが。
まず、口の中に海水を取り込む。まずくて吐き出したくなるが、まあそこは我慢して、だ。
次に、口の中で雷を流して水を電気分解。
『2H?O→2H?+O?』の反応を起こして、口の中にあった海水の水の部分を完全に二つの物質に分けて、酸素だけを取り込んで水素は残った不純物と一緒に吐き出す。
正極と負極を口の中で分ければ酸素と水素は勝手に分かれて集まるので、意外とやりやすい。・・・まあ、やりすぎるわけにも行かないんだけど・・・人一人分なら大丈夫でしょ、と勝手に考えていくことにした。
ついでに言うと酸素単体だと結構な毒のはずだけど・・・・まあ、特に体調に変化はないから気にしない。
『見つからないね〜。蛇の神様、どこにいるんだろう?』
『さあ・・・まあなんにしても、このまま捜すしかないでしょ』
俺と林姉はそう筆談で会話を交わして、さらに底へと向かう。
途中、サメみたいなのが来たりはするが、そのたびに槍で追い払う。殺す時間ももったいないからそのまま逃がすが、たまに逃げないやつは殺すしかないのが面倒だ。
・・・で、もう完全に海底・・・というか、調査機を出して調べるレベルのところまで来たんだが・・・
『どう、ムー君?いる?』
『いや、見つからない。・・・けど、間違いなくこのあたりにいるはずなんだ・・・』
そう、ようやく体が戦闘準備を始めた。
こんな深海に来てようやく、だ。もうこのあたりにいるのは間違いないだろう。
なのに、それらしいヤツ
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