第六十二話
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しばらくたつと、見知った顔ぶれが荷物を運んできた。
「はい、どうぞ。とりあえずもぐるのに必要そうなものは一通り集めてみました」
「ありがとうございます、梅先輩。それに鈴と町先輩も。せっかくの休日でしたのに」
そう、城楠学園生徒会のこちら側の関係者、朝倉梅先輩に音鳴鈴、幅海町先輩だ。
ホント、休日出勤をさせてしまって申し訳ない・・・
「き、気にしないでください!鈴は、お役に立てたのならそれで満足ですので!」
「私のほうも、気にしなくていい。どうせ家にいたらあーだこーだとうるさく言われていただけだからな」
そう言ってもらえると助かる。
そう思いながら中身を見てみると、ウェットスーツだけじゃなくて酸素ボンベとか、他にも本格的そうなものが一通り揃っていた。
まあ、その辺りについてはいいんだけど・・・
「・・・ねえ、ムー君。モリって何に使うの?」
「一般的には、素潜りとかした時に魚をつくのに使うんじゃない?」
「・・・神様、これで倒すの?」
「無理に決まってるでしょ」
そう言いながら鈴を見ると、困惑した表情になってから、
「えっと・・・馨さんが、どうせならこれもそれも、と詰め込んでいって・・・ごめんなさい!」
「いや、鈴が謝ることじゃないから。悪いのは全部馨だから・・・」
とりあえず、今度あったときに文句の一つでも言ってやろう。
そう考えながら合うサイズのウェットスーツを取り、蚩尤の権能で即席の更衣室を作ってそこで着替える。
なんだかんだで便利だよな、この権能。使い方を間違えると一気に危険になる権能だけど、そこを気をつければ中々に便利。壊れたフライパンとか直せるし。
「よし・・・っと。なんか変な感じだな」
「だねぇ・・・」
林姉も着替え終わったようで、俺はそのまま海に向かう。
「武双君、酸素ボンベなどはいらないのですか?」
「まず間違いなく戦うときに邪魔になりますから。それに、この体なら呼吸くらいは続くでしょう」
「ムー君は大丈夫そうだよね〜。私は頂戴♪」
林姉だけは酸素ボンベを受け取り、さらに何本か送還の術でいつでも召喚できるようにした。
まあ、そうしないと呼吸が続くはずもないしな。
「さて、と。後は水圧に耐えるための防御の術だけかけて・・・」
「一体どこまで潜る気なんですか・・・」
「どこまででも?」
「どこまででも」
「・・・」
あ、ついに鈴が絶句した。
とまあそんな事を考えながら海に入っていく。
「あ、最後に一つ。いいですか?」
「なんでしょう?」
「この周囲一体の人は避難しましたので、津波などはそこまで気にしなくてもいいです」
「それはたすかります」
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