第9話 覚醒と死
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兄さんに教わった蹴り……。
「がふっ……!?」
「ミナト……ミナ、ト…………う、うう…………うわぁぁぁあああああああああ!!!」
膨大な妖気が身体から溢れる。それに疑問を持つことなく、私はただ慟哭の悲鳴を上げた。
モカの強烈な蹴りを受けた私はふらつく足を叱咤しながら立ち上がる。
「なっ……こ、これは、なんて凄まじい妖気……っ。まるで漆黒の闇が溢れて来るかのよう――ま、まさか、あなたが真祖……!?」
真祖は遺伝ではない… なぜ?モカが?
アカーシャさんも驚いた顔で萌香を見つめているけど、それは萌香が真祖ということに対してではなく、ここで発現したことに対してのようだ。
ミナトの首を抱きしめたモカは悲しみの悲鳴を叫びながら泣さじゃくる
そのとき、凄まじい地鳴りが私たちをおそった
「なに?地震?」
凄まじい揺れが屋敷を襲い、壁に亀裂が窓が割れて行く
「どうしてだ…姉さん…」
「モカ……」
そっとミナトの首を床に置いたモカは幽鬼のように覚束ない足取りで歩み寄ると、次の瞬間には私の目の前に立っていた。
足取りとは裏腹に表情は悲しみと怒りに満ちた鬼のような顔
「どうしてミナトを殺したぁあああああ――――――ッッ!!」
「くぅっ」
紙一重でモカの拳を回避する。分厚い城壁が一撃で粉々に砕けた。
「この力、やはり真祖の……!」
しかしなぜ?アカーシャ(母さん)の血は遺伝しても、真祖はしないはず…
なのに… なぜモカが? まさか限界を超え覚醒した?
再び凄まじい揺れが襲ってくる。まるで、強大な生き物が地下で蠢いているような。
その時、足元にピシッと罅が入る音がすると、轟音を立てて床が崩れた。
「なっ?なんなの?これは」
足元にヒビがはいり、床はもろくも崩れる
床から――いや、屋敷の地下から巨大な触手のようなものが何本も現れ、館を破壊する。衝撃の余波により、私たちは家の外へ吹き飛ばされた。
幸い瓦礫に埋もれることも傷を負うことも無かった。視線の先にはいくつもの触手がウヨウヨとうねっている。
「あ、アルカード……? まさか生きていたなんて……」
――これは完全に予想外だ。モカが真祖の血に目覚めたから? 限界覚醒にしてはおかしい…まるで二つが同調しているかのよう……。一体何が起きているというの……?
「う……うぅ……」
モカのすすり泣く声が聞こえた。慌てて顔を上げると、視線の先には巨大な掌の上に触手によって雁字搦めにされたモカの姿があった。
「モカ!」
咄嗟に叫び私はかけよった
だがその瞬間新たな真祖の力をかんじた アカーシャではない妖気…
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