第三章
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「そうしないとね」
「そうよね。それじゃあ」
「若し怖いのならね」
それならというのです。
「私が一緒にいるけれど」
「そうしてくれるの?」
「そう、そうするわよ」
こうお友達に言うのでした。
「それならどうかしら」
「悪いわね、そうしてくれるの」
「お友達だからね」
それは当然だというのです。
「いいわよ」
「悪いわね、それじゃあ」
「ええ、今からね」
こうお話してでした、そのうえで。
お友達はお母さんに付き添われて二匹で一緒にその黒兎のところに来ました、そうしてです。
お母さんがそっとです、お友達に言いました。
「じゃあね」
「ええ、今からね」
「頑張るのよ」
優しく言葉で背中を押しました、それを受けて。
お友達は勇気を振り絞って黒兎に尋ねました。
「ええと、今付き合ってる兎は」
「いないよ」
黒兎は明るい声でお友達に答えました。
「一人なんだ」
「そ、そうなの」
「それでお袋に言われてるんだ」
黒兎は笑ってお友達に言います。
「早く相手を見付けろって」
「そうなのね、じゃあ」
ここまで聞いてほっとしてでした、そのうえで。
お友達はごくりと息を飲んでからです、黒兎に言いました。
「よかったら私と」
「君と?」
「そう、付き合ってくれないかしら」
「僕でいいのかな」
告白を受けてです、黒兎はこうお友達に問い返しました。
「家には何もないよ」
「何もなくても」
それでもだというのです。
「私貴方が気に入ったから」
「だからなんだ」
「貴方さえよかったら」
おずおずとです、黒兎に言うのでした。
「私と一緒に」
「うん、じゃあね」
黒兎も笑顔で応えます、こうしてお友達は交際相手を見付けることが出来ました。まずはここからでした。
お友達は黒兎と楽しく跳ね回って遊びました、お母さんはその二匹を優しい目で見守りました。そしてお友達は跳ね回りの後でお母さんのところに戻ってきました。お母さんはそのお友達に顔を近付けて言いました。
「よかったわね」
「うん、本当にね」
お友達もとても嬉しそうな声で応えます。
「交際がはじめられたわ」
「まだ結婚は約束していないのよね」
「それはね」
まだです、兎の結婚は早いですがそれでも流石に会ってすぐにという訳にはいかないのです。だからです。
お友達もまだ結婚の約束はしていません、ですが。
「けれどこのままいったら」
「結婚よね」
「ええ、そうなりそうよ」
「本当によかったわね」
お母さんも笑顔で応えます。
「相手が見つかって」
「そう思うわ」
お友達もとても嬉しそうに応えます、幸せの中で。
それで二匹はそれぞれのお家に戻りました、すると。
お祖母さんはお
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