第一章
[2]次話
ピーターラビットのお母さんのお友達のお話
これはピーターラビットがまだ生まれる前のお話です。
その頃お母さんはまだ少女と言っていいお年頃でした、巣である穴の中で御飯の人参を食べているとお母さんのお母さん、お祖母さんにこう言われたのです。
「あんたもそろそろね」
「そろそろって?」
「そう、いいお年頃よね」
こうお母さんに言ってきたのです。
「もうね」
「結婚してっていうのね」
「そうよ。もうそろそろ結婚してね」
お祖母さんは自分の方に振り向いてきて耳をぴんと立てているお母さんに言います。
「身を固めて」
「子供も生んで」
「あんたの家庭を持ちなさい」
こう言うのでした。
「相手を見付けてね」
「相手ねえ」
「今誰かいないの?付き合ってる子とか」
「いないわ」
あっさりとです、お母さんはお祖母さんに答えました。
「特にね」
「やれやれね。相手がいないって」
「駄目かしら」
「駄目も駄目よ」
言うまでもないことだというのです、このことは。
「全く、あんたは」
「あんたはっていうけれど」
「とにかくね」
また言うお祖母さんでした。
「もうあんたもいい歳なのよ」
「結婚する、ね」
「お母さんも丁度あんたと同じ頃だったわ」
それこそというのです。
「お父さんと結婚したのよ」
「あら、そうなの」
「そうよ。だからあんたもね」
結婚しなさいというのです。
「いいわね」
「そう言われても」
どうかとです、お母さんは困った感じのお顔になってお祖母さんに言いました。そのお母さんのお母さんにです。
「どうもね」
「結婚しようって思えないの?」
「まだそんな歳じゃないって思ってたわ」
「今日からそれが変わったのよ」
「今日からなの」
「そう、そうした歳になったから」
だからだというのです。
「いいわね、相手見付けなさいよ」
「見付からなかったらどうするの?」
「その時はお母さんがいい相手を紹介するわ」
その時はその時でだというのです。
「そうするからね」
「そうなのね。徹底してるわね」
「徹底してるも何も結婚して家庭を持たないと」
とてもだというのです。
「駄目でしょ」
「それはそうよね」
お母さんもわかっていました、兎も家庭を持ってこそです。
「それじゃあ」
「そう、お外に出て」
相手を見つけてきなさいというのです、こうしてお母さんは半ば強引にお外に出されて相手を見付けることになりました
それでお外に出て他の兎達を見て回ると。特にです。
これといった雄兎が見えません、それで一緒にいたお友達にこう言うのでした。
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