第弐話『プロローグ 湘南』
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まずは俺達の過去について少し話そうと思う。俺の母さん『辻堂実琴』は愛の母親『辻堂真琴』の双子の姉にあたる。つまり、俺と愛は従兄妹の関係なのだ。
愛と初めて逢ったのは小学校に入る一年くらい前だ。その日、俺は母さんと二人で愛の家に来ていた。
父さんは仕事で来ていない。
「ほら、ゆうくん。真琴おばさんとあいちゃん挨拶して」
「う、うん。えっと………こんにちは、つじどうゆうすけです」
ペコリとお辞儀をする。
「はい、こんにちは。ゆうくん、おっきくなったわね。ほら、あい。ゆうくんにご挨拶」
「………」
真琴さんの後ろに隠れながら顔だけ覗かせる少女。しかし、目があった瞬間また隠れた。
当時の愛は異性に対してあまり免疫が無いのもあったがとても恥ずかしがり屋な女の子だった。今とはえらい違いだ。
「あら、恥ずかしいのかしら」
「こんにちは、あいちゃん。今日からお隣さんだけどよろしくね」
「………」ペコリ
愛は小さく頭を下げた。
「まあ、ここじゃあ何だから上がって」
「うん。お邪魔しま〜す」
辻堂雄介の純愛ロード
第弐話『プロローグ 湘南』
「だけど、驚いたわよ。急に家の隣に越して来るなんて」
「ゆうくんが生まれてから前の家じゃあ少し狭かったからね。それに、割と安い値段で買えたのよ土地が」
「どうせ実琴の事だからいろいろ策略巡らせて安くさせたんじゃないの?なんてったて『策略の女神』様だもんね」
「まあね。でも、法律に触れないようにやっているわよ。警察に捕まったら夫に顔向けできないもの」
「おか〜さん。あいちゃんと外に遊びに行っても良い?」
二人が談笑していると、愛と手を繋いでいる俺が聞いてきた。
親二人が子ども達を見る限りこの短時間で大分仲良くなったと微笑ましく思っていたのであろう母さん達は笑っていた。
「いいわよ。車に気をつけてね」
「あいもよ」
「わかった!行こあいちゃん!」
「うん!」
返事を返してすぐに家を出た。
「仲良くなれたみたいね、二人とも」
「ええ。なんか小さい頃の私たちを見ているみたい」
「確かに、あいちゃん昔の真琴にそっくり」
「そう言う、ゆうくんだって実琴にそっくりよ」
「まあ、それはそれとして。これからまた、よろしくね真琴」
「コッチこそ、よろしく実琴」
◇◇◇◇◇
「お母さん。あいちゃんと遊んでくるね」
「車に気をつけるのよ」
「うん!」
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