『第三十八話』〜いきなり4vs1って卑怯じゃね?〜
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拓斗は詠唱を始める。
「我求むは闇 獲物を逃さぬ漆黒の鎖 対象を捕らえ力を封じ 苦痛を与えよ『暗黒の捕縛』!」
そうすると、空中に無数の小さな穴が空き、多くの漆黒の縄ようなものが拘束しようと四人に迫る。
しかし四人とも拘束魔法に掴まることはなく、鎖をうまく躱す。
だが、拓斗にとってそれは時間稼ぎ以外の何物でもない。特に特攻二人組には念入りにだ。
拓斗は守護騎士たちが拘束魔法に苦戦している間にその中の一人へ近づく。相手は勿論シャマルだ。
だがそれに気づき、シャマルは鎖に気をつけながらも後退しようと。
その時――
「…どんな時も……」
――目の前にいる筈の少年の声が――
「後ろに注意(チェック・シックス)だぞ?」
――後ろから聞こえた――
「え!?」
気付いても既に手遅れ。シャマルは後方にいた人影に首へ手刀を入れられ気を失った。
「「「シャマル!」」」
他の三人がその光景を見て叫ぶ。
拓斗はその声を聞きつつシャマルが気絶しているのを確認して地面に降り立ち、ゆっくりとシャマルを地面に寝かせてから、危険がないように人一人分程の結界を張る。
その間に拘束魔法の縄を完全に破壊した三人は一ヶ所に集まった。
「一体何なんだよ拓斗は!? 攻撃を紙一重で避けるわアタシとシグナムを軽くさばくわ……極めつけはあれだよ!!」
そう言ってヴィータは拓斗を指差して叫んだ。
「なんで、拓斗が二人いるんだよ!?」
そう、そこには拓斗が二人いたのだ。何もかもが同じ。違うところと言えばソウルの有無だろうか。
ソウルを持っていない方の拓斗は三人を見つめながら霧のように霧散し、消滅した。
「たしかに私たちとは根本的に違うようだ……」
「そうだな……だが、我らの戦い方は一つしかない」
「「あぁ!(おう!)」
結論が出て三人それぞれが少しの距離を取りながら構える。
――――群雲の騎士団と死神の戦いは続く――――
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