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アイドル研究部の一存
一番から九番の選手がそれぞれの役割を果たすことで、打線は初めて『線』となるのです!
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(いちる)の望みを絶たれてがっくりと肩を落とす真姫の様子を、東條希(とうじょうのぞみ)は実に面白そうな表情で見つめている。
「まあまあ。そんな顔しなや、真姫ちゃん。にこっちの言うことにも一理あると思うで。何かに向かってまっすぐ進んでる方がμ'sは輝ける、ってカードも言うてるしな」
 そう言って希は持っていたタロットカードの上から一枚を引いて真姫に示す。
 真姫に突き付けられたカードは、新しい局面や運命の変化を意味する『運命の輪』。それを見せられて、彼女は一つ大きく溜息を吐くしかなかった。
「分かったわよ。やればいいんでしょ、やれば。新しい目標とやらを作って、さっさと終わらせてあげるわよ」
(相変わらずチョロいなあ、真姫ちゃんは)
 希と真姫がそんなやり取りを繰り広げていた横で、海未がすっと手を挙げた。
「冗談はさておき、やはり『ラブライブ』への出場を目指すべきではないでしょうか。このままだと、タイトル詐欺になりかねませんので」
「この前開催されたばかりなのに、そんなにすぐやるものなのかなあ? にこちゃん達は三月に卒業しちゃうし……というか、タイトルって、何?」
「じゃあ、他のスクールアイドルを倒して全国制覇とかどうかにゃ?」
「何だか物騒だよ、凜ちゃん……そもそも、アイドルがどうやってアイドルを倒すの?」
「決まってるやん、花陽ちゃん。ウチらは九人おるんやで。九人でやることと言ったら、野球以外にありえへんやろ」
「や、野球? メンバーが九人もいるのってμsくらいだし、何時(いつ)の間にかアイドルが関係ない競技になっちゃてるし……」
「希」
 議論があらぬ方向へ進んでいることに花陽が助けを求めようとしたその時、絵里が真剣な面持ちで希の肩をがしっと掴んだ。
「私は三番ショートでお願いね」
「絵里ちゃん、もの凄いノリノリだった!」
「ああ、絵里ちゃんズルい! 凜も三番ショートがいいにゃあ!」
「何言ってんのよ。このにこにー以外、三番ショートが務まるわけないでしょ!」
「三番ショート凄い人気! そんなに取り合うポジションなの?」
「じゃ……じゃあ、穂乃果は五番ロングー!」
「ロング!? ロングって何!? 穂乃果ちゃん、野球知らないなら無理して話に入らなくてもいいよ!」
「皆さん、少し落ち着いて下さい!」
「海未ちゃん……」
「三番ショートだけが野球ではありません。一番から九番の選手がそれぞれの役割を果たすことで、打線は初めて『線』となるのですよ!」
「説得する方向が違うよ! っていうか、みんな何でそこまで野球に対して熱いの!?」
「かよちゃんの言う通りだよ。今は野球の話よりもμ'sのこれからについて――」
「ことりは黙っていて下さい。サッカーに魂を売るなんて……あなたは最低です!」
「えー! サッカーだって面白
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